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小さな恋心  作者: 華帆
8/14

8:協力関係

「おはよー由芽!…なんか元気ないね?」

教室に入ると、舞が飛び付いてきた。

目をクリクリさせていて可愛い。

「そう?疲れてるだけだよ、多分。」

そう答えると、舞は安心した様子で離れた。

「なら良いけど。もうすぐチャイムも鳴るし!また後でねー」

舞はそう言って席についた。

私も自分の席についた。

教科書やノートを引き出しに入れ、先生が来るのを待った。

「おい、神崎」

隣の席の佐藤に声を掛けられ、私は適当に返事をした。

「話あるから放課後、教室に残れ」

「え……うん」

私の返事と同時に、先生が教室に入ってきた。

話ってなんだろう?

伊藤先輩の事……かな?



休み時間になり、その事を舞に話すと、一瞬黙り込んだけど、すぐに顔を輝かせた。

「告白じゃん!!?」

「ばっ!ばか!んなわけないでしょ!?」

私は、軽く舞の背中を叩き、下を向いた。

「いやぁー?わかんないかもよぉー?楽しみー♪」

面白がってるし……まあ良いけど。

でも、佐藤のさっきの顔を見たら、告白かも?って思っちゃうよね?

なんかどきどきしてきたぁ!



「起立!礼!さようなら!」

号令が終わると、各自さまざまな行動をとった。

舞はテニス部だ。

これから練習もあるからその準備をしている。

私は部活に入っていないから、約束通り、教室にいる事にした。

「由芽ーまた明日ねー♪」

そう言って教室を出ていった。

それから五分が経った頃、教室には私と佐藤が残っていた。

お互い黙っていた。

そんな空気を振り払うように、佐藤が話を切り出した。

「あのさ……神崎は新垣先輩の事が好きなんだろ?」

「う……うん」

なんかドキドキする。

「伊藤先輩もさ、新垣先輩の事…好きなの知ってる?」

「し……知ってるよ?」

ぎこちない返事を返す。

「実はさ……俺、伊藤先輩───凛の事が好きなんだ」

「ふーん……って…えぇ!?」

じゃあ、伊藤先輩に告白した年下の人って佐藤!?

「俺と凛はさ、結構仲良かったんだ。そしたら、次第に凛に惹かれていってさ……」

そうなんだ…。

「だからさ!俺はお前に協力するから───」

「私もアンタに協力しろ……って事?」

「うん……」

でも、そしたら私……冬香ちゃんにも、伊藤先輩にも恨まれそう……。

それに……伊藤先輩にこの前、新垣先輩の事、好きじゃないって言っちゃったし。

「頼む!!」

佐藤は土下座してきた。

そこまでする……?

なんか可哀相になってきたなぁ……。

「……わかった!協力する!それで良い?」

「あっありがとう!!」

佐藤は体を起こして、私の手を両手で掴んできた。

「ちょっ!何すんのよ!?」

「あ……ゴメン」

でも、佐藤ったらちょっと可愛いかもって思った。

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