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小さな恋心  作者: 華帆
7/14

7:過去

「アハハー!ごめんね由芽子〜」

「いえ……」

あの後、冬香ちゃんは手まで出そうとしたし、私が思いっきり怒鳴りつけたらみんな黙った。

これ以上うるさくされたら迷惑だし、伊藤先輩を私の部屋に連れていった。

「そんな怒らないでよぉー!あっ!そーそー。由芽子、アンタ佑介の事好きなの?」

「……え?」

うそ?なんでそんな事?

「何でですか……?」

「んー?いやぁ……何となく……。で?どーなの?」

伊藤先輩が真剣な表情で私を見る。

「…………そ、そんなわけないですよぉー?アハハー…」

「そ?わかった」

伊藤先輩はすぐに満面の笑みを浮かべた。

「じゃあ……由芽子の言葉、信じるから」

伊藤先輩はそう言ってベットに寝転んだ。

「……あたしさぁー佑介と幼なじみでさぁー…。小学生の頃から好きだったんだぁー…。中一の時、佑介に告ったらOKしてくれたんだぁ……。すっごい嬉しかった」

伊藤先輩は弱々しい声で言った。

「付き合ってて一ヵ月くらい経った時に、年下の子に告られたんだぁー…。その時、仲が良かった冬香に相談したの。相談した次の日、私が年下の子を口説いたって噂が流れててさぁー…。そしたら佑介に、友達のままでいようって言われちゃってさ…。そしたら冬香と佑介が付き合う事になってたんだぁ…」

「え……」

「冬香もさ、佑介の事が好きだったらしい。噂を流したのも冬香らしいんだけど……。だから、ドロボー猫って言ってるんだぁー…」

「……」

「アハハ、ごめんごめん。空気重くなっちゃったねぇー!」

伊藤先輩は手をひらひら振って笑っていた。

つくり笑いなのがすぐわかった。

「先輩は……噂の事、否定しなかったんですか?」

「否定……できなかった。……佑介が、噂を信じたって事にショック受けてさ……」

伊藤先輩は、下を向いてしまった。

そんな重い空気を消し去るように、伊藤先輩は立ち上がった。

「帰るわー!暗くなってきたしぃー!じゃっ!」

伊藤先輩は、そのまま部屋を出ていってしまった。


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