6:小さな火花
ブーブー
携帯が鳴ってる……。
メールかな?
携帯をゆっくり開いて見ると、伊藤先輩からのメールだった。
こんちわー♪
今さぁー、暇だから由芽子の家に来ちゃったぁ〜!
───え!!
私は、部屋から飛び出し、玄関まで走り、荒い息を整えてドアを開けた。
「ヤッホー♪」
手をひらひら振って、玄関に入ってきた。
「こんにちは。じゃあ……私の部屋二階ですので、案内します──ってぇ!」
言い終わらないうちに、伊藤先輩が、リビングに向かっている。
新垣先輩と会わせたらやばいよね?
冬香ちゃんもいるし。
「先輩!こっちですよ!?」
「えー?だってリビングでくつろぎたいしー」
ガチャ
リビングのドアを開けてしまった!
「ヤッホー♪佑介に……ドロボー猫♪」
伊藤先輩が満面の笑みで言った。
「誰がドロボー猫ですってぇ!!?」
冬香ちゃんが、伊藤先輩に怒鳴り、私の方を睨んだ。
「由芽っっ!邪魔しないでって言ったわよね!?」
「ご、ごめんなさい……」
私はペコペコ頭を下げた。
伊藤先輩は、表情を変えない。
一体、どういう事なの?
新垣先輩は固まってるし。
「そのままの意味よー?ドロボー猫さん♪あっ!それとぉー、邪魔をしたのは由芽子じゃないしぃー、あたしの事だって邪魔したんだからさぁ……人の事言えないっしょぉー?」
「!!」
伊藤先輩は、私の方を向いてピースした。
冬香ちゃんは、顔を真っ赤にして反論した。
「うっ、うるさい!!いいから帰って!迷惑だわ!」
「ここは由芽子の家でしょ?あなたに帰ってって言われてもねぇー」
な……何でこんなに仲が悪いの!?