4:不安倍増
「はぁ〜〜疲れた!」
自分の部屋に着くと、ため息をつくと同時にバックを投げた。
ゴロンとベットに転がり、一息ついた。
付き合ってなくて良かったぁ……。
砂時計を見ながら由芽は思った。
ブーブー
携帯が鳴っている。
マナーモードにしてあるので、音は鳴らない。
バイブ音である。
携帯を持ち、携帯を開くと、新着メール一件と出ていた。
件名が凛で〜す!と書いてあるから、伊藤先輩だとすぐわかった。
本文は───
ヤッホー♪
凛でぇぃーす!由芽子だよねぇーん?
そうそう!
あたしの好きな人は〜!
その次の文に目を疑った。
佑介なんだ!!!
そこで文は終わっている。
伊藤先輩は……新垣先輩の事……!
応援できないよぉ……!!
ポタポタと涙が、携帯の画面に落ちていく。
視界も薄れてきた。
顔……洗おう……。
洗面所に行き、自分専用のタオルを棚から取り出した。
ピシャピシャ!!
水を顔に押しつけるようにつけ、タオルで顔をゴシゴシ拭いた。
勝ち目ないよぉ……!!
そんな思いで胸がいっぱいだった。
数分経ち、自分の部屋に戻り、メールの返信をした。
こんばんわぁ☆
由芽です。
そうなんですかぁー?
頑張ってください♪
そう送った。
携帯を閉じ、自分の部屋のベランダに出た。
もう冬に近づいてきて、外は暗い。
だけど、風が気持ち良い。
悲しみでうまっていた心を落ち着かせてくれた。
「ありがとう……!」
そう呟いて、外を見渡していると──信じられない光景。
──信じたくない光景が目に飛び込んできた。
冬香と佑介が、手をつないで歩いていた。