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小さな恋心  作者: 華帆
13/14

13:救いの手

「どうして……雄麻が?」

凛は立ち上がり、自分より少し背の高い雄麻を見た。

「いや……神崎の事を追い掛けてたら……凛がいたからさ」

雄麻は、これまであったことをゆっくり話した。

凛は何度も頷き、最後はため息をもらした。

「やっぱり、好きなんだね……佑介の事」

凛は、雄麻に背をむけた。

凛の目には、校庭で野球ボールを拾う姿や、サーブミスして注意されているテニス部の子がうつっていた。

しばらく二人は黙っていた。

その沈黙をやぶるように、凛は振り返り、作り笑いを浮かべた。

「よしっ!帰るぞ!雄麻!」

雄麻の背中を軽く叩いて、凛は歩きだした。

雄麻は、凛の淋しそうな背中に、何もする事ができないのだろうか、と、心の中で何度も、自問自答を繰り返していた。

雄麻は、凛の肩に手を置き、小さな声でありがとう、と、呟いた。

凛は、振り返り、何が?と首を傾げた。

「俺に、告白できるように新垣先輩の事を引き止めてくれたし……俺を、勇気づけてくれたから」

雄麻はほほ笑み、凛も自然とほほえんだ。




「ハァ…………ハァ」

ここはどこだろうと思いつつ、私は、呼吸を整えた。

無意識に走っていた為、ここがどこなのかわからなくなっていた。

あまり、人通りの少ない道路で、ボロボロの家や、荒らされたのかよくわからない公園しかなかった。

こんな場所来たことがなく、どうしようもない気持ちになった。

携帯は家にある。

連絡するための手段がない。

仕方なく、荒らされたのかよくわからない公園のベンチに座り、頭を抱えた。

辺りはもう暗い。

誰も人がいないし、歩く力も残ってない。

どうしようかな、と思っていると、

「由芽……!?」

遠くの方から、そんな声が聞こえた。

周りに目をやっても、姿が見当たらない。

「ゆーめ!」

視界にいきなり、舞が入ってきた。

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