都市3・最初の消灯
全体をざっと見回しても、この倉庫の明かりを消す手がかりは見つかりません。
「どうすればあれは消せるのでしょうか?」
「この部屋には無さそうだな。あそこから隣の部屋に行ってみよう」
「あそこって……」
そう言ってお姉ちゃんが進んだ先には棚は無く、そこだけ不思議な色をした壁があります。
そしてその壁を手で押すと、まるで門のように開き、お姉ちゃんを飲み込むとすぐに閉まってしまいました。
「何? 今の。扉?」
私は釈然としない気分でその壁に近づき、お姉ちゃん同様押してみました。すると本当にあっけなく開き、通り抜けるとまた閉まりました。
そちらの部屋は、私が知っている倉庫のようになっていました。
「う~む……」
そしてお姉ちゃんは、近くの壁に付いている謎の模様(?)を見つめ、何やら考え事をしています。
「何してるんですか? お姉ちゃん」
「う~む、この模様が妙に気になってな。妹はどう思う?」
こんな場合のお姉ちゃんの"気になる"は、だいたい"当たり"です。お姉ちゃんの勘は、未知の物に対して特に良く働くのです。
「なら、きっとそれだと思いますよ。いつもみたいに触ってみては?」
「そうだな。少しばかり嫌な予感がしたのだが、妹がそう言うのなら問題無いだろう。えい!」
若干気になる台詞を残しながら壁の模様に触れると、カチッと小さな音が鳴ると同時に、辺りが一瞬にして暗くなりました。
と言うより、ほとんど何も見えない真っ暗です。どうやらこの部屋には窓が無かったみたいです。
「おお! 真っ暗になってしまった。大丈夫か? 妹よ」
「はい、私は大丈夫です。むしろお姉ちゃんこそ、壁から手を離さないで下さい」
「何だか分からんが分かった」
すぐそばに出口があるのですから、下手に動かなければ容易に対処できます。
私も壁に手を着け、出口があった方に数歩進むと、さっき通った開く壁の感触を見つけました。
さっそく開けると、外の光が入って来て、まだ暗いですが周囲が見える程度には明るさを取り戻しました。
「ふぅ、何とか脱出できたな。これも妹のおかげだ」
「確かに、お姉ちゃん一人では危なっかしいですね」
お姉ちゃんにしかできない事と私にしかできない事が、何となくですが見えてきたような気がしました。