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ライバルはジーン

 早くも後悔してる僕。

 もう帰りたい。

 イライジャさん、めっちゃスパルタ。コナー先生の優しさがよくわかりました。


 イライジャさんに魔法を教えてもらえると聞いてテンション上がった僕ですが、大間違いでした。


 まず、イライジャさんの説明が難しすぎて全く理解できない。


「もっと簡単に教えてほしいです。」


「では、血液の流れを意識してみてください。」


 血液の流れ.............僕、そんなの感じないよ。


「できましたか?では次に、」


 できてないけど、進んじゃった。


「その流れる血液を心臓に集めて...」


 血液って自由自在に動かせるの?どうやればいいの?とりあえず、体の中をグルグルイメージして、真ん中に集めてる...つもり!


「その集めた血液を一気に手のひらへ!」


 えーと、えーと、集めたのを手のひらにポーン!


 ...ドガンッ!!!


「あいたっ!」


 みしみしみしっ、ドゴーーン。


「殿下、随分魔力を込めましたね。」


「......いや、あの、ぼくポーンてしたんですけど...?」


 ビックリ。全然出来てないと思ってたのに、突然僕の手から風みたいなのが飛び出たよ。

 風圧でひっくり返って、おしりぶつけちゃった。

 最後までよくわからないまま、ポーンと放り出すイメージをしたら、大きい木がポッキリ折れちゃった。


 その後も、小さい風を出す練習をしたけど、どうやってもドガンッしか出なかった。

 イライジャさんに僕は魔力は多いけど、魔法を使う才能はなさそうだから、止めた方がいいですね。って言われたよ。

 僕、才能ないのか。

 ちょっとガッカリしていたら...


「あんた、すごい下手くそだね!あははっ!」


 突然、イライジャさんの隣に子供が現れて、僕を指差して笑った。


「ジーン、指を指してはいけない。」


「はーい。ごめんなさい。」


 ジーンと呼ばれた子供は全然反省した様子もなくケラケラ笑っている。

 ちょっと屈辱。


「殿下、この子はジーンと言って私の弟子の一人です。」


「初めまして王子さま、ジーンです。」


「...ノアです。初めまして。」


「殿下、ジーンは7歳です。殿下とお年も近いので仲良くしてやってください。まぁ、辺境に住んでいるので、あまり会う機会はないかもしれませんが。」


 イライジャさんに促され、僕とジーンは握手をかわす。ジーンは僕を見てニヤッと笑った。


「王子さまは随分お可愛らしいのですねぇ。」


 感じ悪っ!なんだこいつ。ジーンと僕は1歳しか違わないのに、ジーンは僕より頭1つ分以上大きかった。

 く、や、し、い~~~


「せっかく会えたんだ、僕ジーンの魔法見てみたいな。イライジャさんのお弟子さんなら、さぞすごいんだろうね?見せてよ。」


 ちょっと感じ悪い言い方になってしまった。僕はまだまだ自分をコントロールできません、反省。


「そうだな~、では王子さまとの出会いの記念に...」


 ふわっ


「え」

 

 僕の回りに風が吹いたと思ったら、僕は空の上だった。


「う...うわぁぁあぁあっ!」


「あはっ、あははははは!!」


 下からジーンのバカ笑いが聞こえるけれど、それどころじゃない。

 すごい不安定!落ちるんじゃない?落ちてるんじゃない??ちょっとー!


 涙目になったところで、僕の体はスーっとじめんに降りた。

 イライジャさんが降ろしてくれたみたい。


「ジーン、やりすぎだ。謝りなさい。」


「あは!ごめんなさい、もうしないよ。」


 僕はジト目でジーンを見る。最悪だ。こいつ、全然悪いと思ってないよ、最悪だ!


 絶対仲良くなんてなれないね。


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