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No,02 変な同居人達

「ささ、冬夜君も入って。」

「お腹すいた~」

「あらあら、スーちゃんの隣に座るのね、残念。」

「・・・・・」

「ごはーん♪」

「・・・クリス、ちゃんと服着なさい。」


食堂に案内された。

これから夕飯。私の歓迎会も兼ねているらしい。

20人位は座れるんじゃないの?っていうテーブルに色々な料理が並ぶ。

これ全部、珠子さんが作ったらしい。

スージーの右隣の席に腰を下ろす。

スージーと反対側の隣には黒髪の少女が座ってこっちを見てた。

「・・・・・・・」

見てた・・・と言うよりガン見されてる。

整った顔立ちの・・・髪型はショートボブ?と言うよりおかっぱ?

微妙に鼻がヒクヒクと動いてる。

え?私、臭う?

「・・・すんすん。」

いつの間にか全身の臭いを確認するかの様にピッタリ張り付いていた。

「え?ええ?」

胸の辺りの臭いを嗅いでからゆっくりと顔を上げ・・・

私の真横、間隔は10cmも開いてない距離に彼女の顔が・・・


ぺろん。


ほっぺた舐められました。

「ちょちょちょっ!何してるんですか!!鏡花さん!!」

慌てて立ち上がるスージー。うん、それ、私がしたかったリアクションね?

「・・・匂い、覚えた。」

「何ですか覚えたって!?」

「・・・もう間違えない。安心。」

「安心出来ません!!」

「・・・あたし、鏡花。よろしくね。」

「あ、ども。三戸 冬夜です。よろしく。」

「わたしを無視するなーー!!」

「・・・スーちゃん、血管切れるよ?」

「だ・れ・の・せ・い・で・す・か!?」

私を間に挟んでいがみ合う二人。と言うか怒ってるのはスージーだけ。

鏡花さんは何故怒ってるのかわかってないらしく、小首を傾げている。

「はいはーい♪とりあえず乾杯しちゃおう?」

話を遮る様に現れた人物・・・肌色が多くて直視出来ない。

「乾杯の前にクリスは服着なさい!!」

怒鳴りながらスージーは私の背後にまわって・・・手で目隠ししてきた。

「あ、わたし、クリス。よろしくね♪」

そう言って腕をとり・・・


ぴとっ。


「む?何やら極上な触り心地。マシュマロのような・・・指が目に食い込んで痛いです。スージー。」

「クリスも何してるんですか!!」

「ん?わたしも覚えとこうと思って♪」

「何をですか何を!!」

ぎりぎりぎり・・・

「ちょ、いたたたた!痛いってば!スージー!!食い込んでるよ!ってか、これ、もう刺さってるレベルだよ!?」

「そう思うんなら手を離して下さい!」

「はい♪ぐー、ぱー♪ぐー、ぱー♪」

「ちょっと!クリスも何にぎにぎさせてるんですか!!って、冬夜君もにぎにぎしない!!」

「色々覚えないと♪」

「うん、そうだね。覚え痛い痛い痛い!!」

刺さってる!刺さってるってば!!

「感触とか覚える必要ありません!!」

「おいおい、流血沙汰は勘弁してよ?」

それまで黙っていた一人が仲裁に入ってくれた。

「目が潰れるかと思った・・・」

「災難だったねぇ。クリスも、これからは男性も居るんだからちゃんと服着ようね?」

「むー、仕方ないかぁ。」

「さてと。そろそろ自己紹介しても良いかな?」

そう言って仲裁に入ってくれた女の子が立ち上がる。

身長は150cm無いくらい。銀色の髪に赤い眼。肌の色も真っ白って位に白い。

「改めて、初めまして。ボクの名は菜月。見た目こんなんだから外人さんと間違われるんだけどね。一応、国籍は日本だよ?」

てっきり外人さんかと思ってた。

「ところで君、冬夜君だっけ?君はスージーとは付き合ってるのかい?」

ぶほっ!!

横でスージーが盛大にお茶を噴いてた。

「いえ、そんな事無いですよ?彼女は私の数少ない友人です。」

「そそそそうですよ!あははは。なななななに言い出すんですか菜月は!!」

こう言う話題苦手だからって、ちょっと狼狽えすぎじゃない?

「ふむ、そうか。」

そう言うと立ち上がり、こっちに歩いてくる。

「という事はボクにもチャンスはある訳だね?」

にっこり笑いながら手を差し出してくる。

握手?そう思って手を取る。

するとそのままグイッと引っ張られ、抱きしめられた。

「なななななにを!?」

慌てて立ち上がるスージー。

「ちょっと味見させてもらうね。」

いきなり菜月が首筋を甘噛みするかの様にパクッと咥える。


ちくっ。


チューチュー。


「ははははは離れなさい!!菜月!!」

慌てたスージーが無理矢理引き剥がす。

「おいおい、まだ止血が終わってな・・・」

言いながら私の首筋を見る菜月。


ばたん。


いきなり倒れた。

「冬夜君、血が出てる!!」

ハンカチを取り出して首に当ててくる。

押さえていたハンカチを見ると真っ赤になっていた。

「結構出てる?」

「ちゃんと消毒しますからちょっと待ってて!」

そう言って救急箱探しに行くスージー。

「・・・あの~、菜月さんこのままで良いの?」

白どころか真っ青になって倒れている菜月はそのまま放置されてた。


奥の部屋で物凄い音が聞こえる。

「まったく!何処よ?救急箱!!」

スージーが慌てて探してるっぽい。

「実はわたしが持ってたりして♪」

言いながら救急箱を掲げるマリーさん。

「どれどれ、わたしが手当てを・・・」

そう言いながら救急箱を開ける。

「駄目ー!!わたしがやります!!」

慌ててすっ飛んできたスージーがマリーさんに体当たりする。


どすっ。


ぽとっ。


コロコロ・・・


「あ。」

「やん♪」

「・・・・・え?」

マリーさんが転がってた。

「もうっ!スーちゃん乱暴なんだから♪」

転がりながら文句を言うマリーさん。

いや。ちゃんと言うべきか。

転がりながら文句を言うマリーさんの生首。

それを両手で拾い、何事もなかったかの様に元の位置に戻す。

「・・・・・」

「・・・・あれ?ばれちゃった?かな?スーちゃん?」

「・・・うん。たぶんね。」


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