表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
61/210

053 「気になる写真」

一話一話が1000字程度の短編連作です。3分もあれば読めます。


毎週火曜日更新中!

 部屋に戻って掃除を再開していたお手伝いさんだったが、


「予想以上に重労働だぞこれ……」


 なぜだろう、ゴミを取っても取っても無くならない。こう言っては何だが、ゴミ屋敷を軽く通り超している。次から次へとゴミが生成されているんじゃないかと錯覚するほど。

 いや、ここは錬金術士の師匠の家、もしかしたら生成じゃなく錬成されているのかも。

 だからといって手を休めるわけにもいかない。キレイにしておかないと師匠に許してもらえないかも知れない。


(ん? 何を許してもらうんだ?)


 失礼な事を言ってしまった事に対して許してもらおうとしているんだ。

 師匠の裸を見てしまった事を何故か忘れているお手伝いさんはそう考えた。

 取っても取っても、掃いても掃いても無くならないゴミ達と格闘しつつ、お手伝いさんは別室にいる錬金術士達の事も気になっていた。


 今何をしているのだろう、と。


 武器の作り方を教えてもらうと言っていたが、あのガサツそうな師匠が真面目に教えてくれているとはどうも思えない。適当に教えている姿なら容易に想像出来るが。


 いけない、こんなだから失礼な奴と言われてしまうんだ。


「写真か、これ」


 掃除のし辛い隙間と格闘していたら一枚の古びた写真が滑り出てきた。師匠の事だし、取るのも面倒くさいとか言って放置していたものだろう。


 そこに写っていたのは、師匠と小さな女の子。

 師匠は今と全く同じ格好をしていてちっとも変わってない。だが、隣にいる小さな女の子は、よくよく見てみれば錬金術士のような。ふわふわした髪の毛も、ふわふわした笑顔も、ふわふわした雰囲気も、紛れもなく錬金術士だ。


「待てよ、この女の子が先生だとしたら、撮影した日から少なくとも数年……いや十年とかは経過してるはず。なのに師匠はちっとも変わってないぞ……」


 世の中にはそういう人もいると聞いた事はあるが、実際に目の当たりにしたのは初めてだ。凄い人なら月日が経つにつれて逆に奇麗になる人だっているらしいが、師匠はその類の人間なのか。


「うーん……そういうのとはなんか違うんだよな。師匠だけ時間が止まっていると言うか、老化が止まっているというのか……」


 年を経っても若く見えたり、逆に奇麗になったりする人間にもそれなりの変化が見られるはず。でも師匠にはそれが一切見られない。

 魔女か。やはり魔女なのか。


(いやいや、魔女だから年を経らないとか聞いた事ないし)


 師匠はきっとあれだ、普通に年を経っても若く見える類いの人間なんだ。

 そうだ、そうに決まってる。また失礼な奴とか思われたくないし、そう思う事にする。


「そうと決まれば掃除再開! 頑張れ僕!」


 写真をポケットに仕舞い、気合いを入れ直して箒を操り続けるお手伝いさん。

 果たして、この部屋の掃除はいつ終わる事やら。

次回第54話「三日三晩」


お楽しみに!


それから4月30日でなんと一周年を迎えます!初めてこの作品を投稿してからもうそんなに経ったのかと驚いております。

まだまだ続きますのでどうぞお付き合いいただければ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ