027 「上空400メートル」
一話が1000字程度の短編連作です。一話読むのに3分もかからないかと。
ヨガのお供にでもドゾ。(やりながら読めるものか分かりませんが……)
毎週火曜日不定時に更新中!
「いったいどうするんだい? この状況を」
「どどどどうすれば良いんでしょうかいぬねこちゃん⁈」
「小生に戦闘能力は皆無だからね。この状況を打破出来るのは君だけだと思うのだが……」
現在、怪鳥に捕まったまま上空400メートル付近を飛行中。
片腕を持たれ宙ぶらりんの状態で捕まっているので、カゴを持ったままだが残った片腕で武器の使用も可能ではある。この距離なら確実に命中するだろうが、いかんせんここは地上から400メートルも離れている。
こんな所で銃を撃ったりナイフで刺したりしたらそのまま真っ逆さまで地面に人型の穴を空ける事になるのは目に見えているし、それに攻撃するにはやはりこの靄を発したままのカゴを捨てるなりしなくてはいけないので、やっぱり攻撃は出来なかった。
ゆえに、今は無駄な抵抗をせずに様子を伺っている訳だ。
「これ……どこに向かっていると思いますか?」
「それは当然、巣だろうね。ちょうど子育て時なのだろう、だから小生達を襲ってきた」
「つまり僕達は、子供の餌……と」
「そういう事になるね」
マズい。これは非常にマズい!
人生半分以上も残しているのにこんな所で終止符を打つ事になるなんてそんな事は絶対に嫌だ! まだまだやりたい事がたくさん残っている!
すでに錬金術士の料理で死にかけているのにまたしても死地がやってきた。
「なんとかして脱出しないと……!」
「この状況で脱出するつもりかい?」
「そうでした……」
ここは地上から400メートルの世界だったことを思い出す。
打つ手無しか……。
と思いつつも、当然諦めてはいないお手伝いさんだった。
「どうして小生は君に掴まっていたのだろうか。そうでなければこんな事に巻き込まれなかったのに……」
「それについては僕の責任じゃありませんからね!」
「分かっているよ。君の方が掴まりやすいからという判断だったが、それが間違いだったようだ。掴まりにくくても回避率の高い方を選ぶべきだったと反省している」
「どうせ僕はダメダメですよ……!」
いぬねこの愚痴のようなセリフを真に受けてガックリと落ち込んでしまうお手伝いさん。
もちろん悪気があって言ったセリフじゃないし、お手伝いさんだって本気で言っているとは思っていないが、やっぱり落ち込んでしまうものは落ち込んでしまう。
ここまできたら完全に成り行きに任せるしかなかった。
このままだと怪鳥の餌になっちゃいますが、この窮地を脱出できるのか!?
次回は錬金術士視点です(短いです)
次回第27話「一人」
お楽しみに!




