30/50
No.480.金の音 銀の穴 一枚の写真
くすんでいる一枚のグレーの映像
何かを伝えている そんな感じがする
さびついた鉄の扉 ひびわれたコンクリの塀
雑に草がしげった ブラウンの庭
すぎゆく時もさりゆく時も わからず
窓の中の部屋は 雑然としていて
暗がりの中 白い影がかすかにうごめく
鈍い光をはなつ騎士の姿
艶やかな白馬の石像
風化している古びた建物
血にまとわりつく 重圧の意志
黒みがかった太陽をあびて 腐れただれる
緑の炎のかけらが 目の前を漂い続け
いぶかしげに指先が燃える
金細工の不思議なオルゴールがかすかに 鳴り響く
銀色のさびた鍵穴が 無造作に視界にうつる
記憶の奥底に沈殿している
身に覚えのない一枚の写真




