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プロローグ
「理不尽だ。」
と呟いた君に、僕は何も言えなかった。
黙り込んでしまった僕を見て君は申し訳なさそうに、
「君にはまだわからないかもね。」
と苦笑しながら言った。
そんな君に僕は余計何も言えなくなったのだった。
歯車が狂ってしまった。
もう幸せなあの日には二度と戻れない。
どうしてこんなにも世界は理不尽なことばかりなんだ。
そう君は嘆いた。
“幸せ”だった君は嘆いた。
弾ける様な笑みを作っていたその顔は、眉間にしわを寄せ酷く歪んでいた。
君が纏うオーラも酷く淀んだ。
僕はそんな親友の変化を只見ていた。
見ているだけで一向にアクションを起こさない僕を、君は何故か哀れんでいた。
「分からないよね。君には。」
とでも言いたげに。
そんな君の瞳をもちろん僕は見ていたのだけれど、それでも何もしなかった。
君はいつしか世の中を語るようになった。
まるで、僕に教えるかのように。
毎日毎日君と僕の間では、小難しい話が交わされている。
否、君が一方的に僕へと伝える。
僕は相槌は時々打つが、基本何も言わない。
そんな僕を見て、悲しみに負の感情に染まった君は僕を嘲笑っていた。




