1日目 秋の木漏れ日と初めて。
「四十九小節のカノン」は、投稿日が決まっていませんのでご注意ください。
これからもよろしくお願いします!
まだ夏が終わった頃だからまだまだ暑い。
9月は学校行事が多いけど、暑くて僕には無理だ。
できることなら10月頃が一番いいのに。文化祭は10月の終わりごろだけど、寒くて嫌だ。ちょうど良い温度の季節は無いのだろうかというのが地球に対する僕の疑問だ。
「あれぇ。もうとっくに下校時間過ぎたよ〜。」
音楽室のスライドドアが突然開かれた。女子生徒なのはわかったが初めて見る人だった。
「あ、もしかして一人ピアノ部堪能してた?」
元気よく話しているが何を言っているのか良くわからない。。「一人ピアノ部」?初めて聞いた部活だ。多分、そんな部活ないだろうけど、彼女が今、咄嗟に作った架空の部活なんだということには察しがついた。
肩を軽々越えた長く少し癖のある髪をもつ彼女は僕を真っ直ぐに見つめた。
そこら辺の女子に比べたら随分整った容姿をしている。マドンナと呼ばれてもおかしくはない。
しかし、こんなにも美人であれば学校で噂にならないほうがおかしいだろう。確かにこの学校の制服だし、身長も僕とさほどかわらない。
といっても僕は流行についていけないし、情報を聞きまくる性格でもない。ただ、僕が彼女を知らないだけなのかもしれない。
「ねぇ、なんか喋ってよ〜!」
「・・・。」
喋ってよ〜、と言われても、喋る気もないしましてや初めて合う人に何を話せばいいのかも良くわからない。僕にとっては無茶ぶりだ。
「ねぇねぇ、名前、教えて?」
「・・・なんで。」
突然名前を聞きに来るやつが有るだろうか。別にいいが先に名乗ってもらいたい。
「なんでって・・・知りたいから?」
「そりゃそうだ。」
「じゃあ、教えて?」
多分彼女はしつこいのだろう。クイズに正解しないと絶対出られない部屋的な存在なのだろう。
「・・・飛騨唯月・・・。」
「唯月くん!!」
ぱぁっと彼女が笑顔を見せた。
「はじめましてかな?唯月くんは。私は宮西奏。よろしくね!!」
「・・・どうも。」
いつから僕らは知り合いになることになったのだろう。よろしく、ということはこれからも会う前提のことだろう。
やっぱり彼女は良くわからない。