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四十九小節のカノン  作者: 雪白鴉
12/13

16日目 時間

 昨日は祝日で今日は火曜日だ。昨日休みだったからか、今日はとても面倒な一日だった。そして、その面倒な一日を締めくくってくれるのは「猫ふんじゃった」だ。


 ピアノを習っていない人でもなぜか弾けるというこの曲。そして、ピアノを習っている人にクラスメートは言う。


「高速でやってみてよ」


と。


「小学生か!!」

「中学生ですけど」

「内容が小学生なんだよ、君は」


 小学校ぶりに言われた言葉だ。小学校の音楽の時間によく言われた。またかと毎度毎度思いながら高速で「猫ふんじゃった」を弾いては、「スゲェー」とか、心のこもった感想をよくいただいたものだ。特に好きでもない曲を指が空回りしながら弾かなければならない身にもなってほしい。


 渋々、ミ♭に右指を乗せた。最近弾いてなかったので前より高速で出来るかわからないが、誠意いっぱいにやってみようと思う。


「お〜、速い速い」


 パチパチと手を叩きながら僕の動く手を見つめている。ちょくちょく、黒鍵に指の爪が当たって、「カッ」と音が鳴るのが煩わしい。


 猫ふんじゃったという曲の面白いところは、腕がクロスするところだろう。ピアノ初心者の人にとっては面白いし、不慣れなものだろう。そう思いながら、僕は二度目のクロスをした。

 しかし、その演奏を止められた。


「ちょっと待って。何そこ」

「え?何って、左側でやったやつを右側パターンで・・・」

「そこ知らない」


 僕がやろうとしたのは、終盤に差し掛かったところで、左手がファ♯→ド♯を繰り返し、少し半音階をした後、今度はソ♯→ミ♭を繰り返して少し半音階をした後、それに似た動作を左腕を右腕とクロスさせて右側ですることだった。これにより、曲が長くなる。


 これを彼女は知らないと言った。確かに、言われてみればあまり聞かない気がする。


 この動作はピアノの先生に教えてもらったものだ。もしかして、昔は僕がやっていた「猫ふんじゃった」だったのだろうか。音楽といえど、時間が経てばどうにでもなる。僕は今日、それを痛感した。


「そういうバージョンもあるんだね。じゃあ、伴奏も変わってくるの?」

「さぁ。そこまではわからない」


 猫ふんじゃったにも、伴奏と呼ばれるものがある。これに関しては誰もが出来るわけではない。僕だって猫ふんじゃったが小学一年生の時に出来て、伴奏を知ったのは小学四年生だった。


「伴奏、してみる?」

「え、無理。伴奏知らない」

「なんだよ」


 伴奏の存在自体は知っているらしいが、伴奏がどのようなものかははっきりわからないらしい。



 皆さんの知る猫ふんじゃったはどんなものですか?

 本編には出しませんでしたが、曲の最後をしめる音も人によって違うようです。私は一つ年下の子がやっていたものを見よう見まねでやったちょっと難しくてかっこいいやつです。色々アレンジができる曲ですし、伴奏も難しくないので友達や兄弟、家族とやってみるのはいかがでしょうか。

 ちなみに、「猫ふんじゃった」の作曲者は不明ですので、著作権云々は無いようです。

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