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第22話 休憩時間

「板川様は何か見たいものはありますか?」

「ご迷惑でなければ、儀式は全部見たいです!」



 儀式は全部見てみたい。もちろん、貴重な儀式を見せてもらうのだから、私にできる準備があるなら何だって参加する。中庭の掃除や、宴会の準備なら私でもできるはずだ。もし邪魔になるようなら、差し入れだけでもさせて貰おう。マリー達に、冷たい飲み物を差し入れるにはどれくらい準備に時間がかかるのか、聞いておかなければ。なんせ騎士団は100人近くいるのだ。



「千春様は勉強熱心ですね。しかし、騎士と同じように1日動くのは、体力がもたないのではないでしょうか? キャンプファイヤーの準備ができたらお呼びいたしますよ」

「確かに……。でも、なんだか申し訳なくて」

「では……今後、僕の隊で行なっている中庭の手入れを手伝いに来て頂けませんか? 討伐や会議が無ければ、毎週水曜日の午前中に行っているのです。もちろん、千春様の体調が万全で、用事がないときに限りますが……」

「ぜひ! 参加させて下さい!」



 私は食い気味に返事をする。私の様子を見たクレイン王子は、千春様は頑張り過ぎそうだからきちんと管理して差し上げるように、とサリーに念押ししている。サリーはサリーで、千春様は他の曜日にも中庭を手入れしに行きかねない、前日は早めに勉強を切り上げさせなければ、なんて返している。皆さん、短期間でよく私の事を理解しておいでで……。私ってそんなに分かりやすい? と隣のマリーに聞いてみると、ご存じなかったのですか? なんて言われた。


 この雰囲気好きだなあ。ここの人達は、私の意思を尊重してくれる。私の考えに寄り添って、実現できるように方法まで考えてくれる。その上、私が気を負わないように提案してくれるのだ。本当に素敵な人達だなあ。……すき。


 

 失礼します、とクレイン王子の側近が部屋まで迎えに来た。そろそろ戻ります、と王子が部屋を出ようとする。そういえばと、私は儀式の見学にメイちゃんも誘ってみても良いか聞いてみる。王子は、希望されるなら全く構わないと許可をくれた。せっかくの機会だし、メイちゃんも喜んでくれるはずだ。ではまた後で、と言うと王子は騎士団へ戻っていった。



 マリーはすぐに、メイちゃんのところへ儀式見学に参加するか聞きに行ってくれた。その間に、私はサリーに差し入れの事を聞いてみた。



「そうですわね。何を用意するかにもよりますけれど……なんせ100人分ですから、直接厨房に聞きに行ってみないと分からないですわ」

「そっか、急だし同じものは用意できないかもしれないね。何なら用意できるのかな。……あの、サリー、私も厨房に行ってもいい?」

「ええ! きっと千春様が来たら喜びますわ! 何が用意できるか直接見せて頂きましょう。我々は夕食が不要な事も伝えなければいけないですし、一緒に行きましょう」



 厨房には初めて行くが、なんと、私とメイちゃんにはそれぞれ専属の厨房があるらしい。食中毒で共倒れになる事を防ぐためだそうだ。理由はともあれなんて贅沢な! 厨房の方々に、いつも美味しい食事を用意してくれてありがとう、とお礼を言わなければ。


 歩きながら、何を差し入れようか考える。だいぶ涼しくなってきたものの、外だし冷たい飲み物が良いだろう。お茶だけじゃなくて炭酸水やジュースも用意できないかな。男の人が多いから、甘いモノはあまり好まれないかもしれない。そういえば、キャンプで何を作るのだろう? 聞いておけば良かった!



「千春様、こちらでございますわ。厨房の者に千春様がいらした事を伝えますので、こちらで少しお待ちくださいまし」



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