表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/8

0-3 微睡みの中で

 夜中に内緒で出歩くように。


 よし間に合った。

 ゴールデンウイークの集中投稿はこれで終わり、次話からは月曜日の夜に投稿するつもりです。


 しかし、食料の買い出し以外で外出しなかったな。狙い通りだけど。


 深夜、星の巡る時間。


「…………ん、むぅ……」


 星に迷った少女は目を覚ました。


 夢見が悪かったワケではない。むしろ優しい夢を見ていた気がする。

 居心地が悪かったワケでもない。むしろ誰かが側にいる安心がある。

 ただ、短い睡眠時間で活動ができるように『調整』されていたに過ぎない。


 ……ここは何処だろうか?

 冷たくて固いベッドではなく、暖かく柔らかくも反発のあるベッド。

 少女は起き上がろうとして、自分が誰かに抱き着いている事に気が付く。

 誰だっけ?『先生』ではない。彼がベッドで眠っている姿を見たことがない。

 でも、とても安心する。ずっと前に会った事があるような。何か、あったような……


 そこまで考えが至った時、少女は自分が”ステラ”という名だという事を思い出した。


 †


 目が覚めてしまった。

 今の私には起きなくてはならない理由なんて無いのに、何かしなくてはならないという焦燥感だけが空回る。


 取り敢えず、水でも飲んで寝なおそうと思う。

 私が『彼』を抱きしめている手を外す──────あれ、何故か手を外したくない。むしろ、ずっと抱き着いていたいとすら思う。

 私は左手を下にして『彼』の胸の辺りに抱き着いている。『彼』もまた、私の事を優しく抱きしめている。


 彼───テラ。

 冒険者テラ=プルートーン。

 私を救ってくれた人。私に名前をくれた人。私をステラにした人。


 少しずつ、寝る前に起きた出来事を思い出していく。


 テラさんに助けられて、優しく抱きしめてくれて、お風呂に入れてもらって、イやな感じになる首輪を壊してもらって、サンドイッチを食べさせてもらって、私を守るって約束してくれて、真っすぐ正面から怒ってくれて、一緒に旅をしようって言ってくれて、そのための設定を考えて──────


 顔が赤くなるのが自分でも分かった。


 甘えて、甘えて。ひたすら甘えて──────

 目を閉じた状態で耳元で囁きながら手取り足取り──────いや、足は取られてないけど。

 そのあと、えー……と、みみかき?をされて。

 みみかき。アレはいったい何だったのだろうか?とても恥ずかしい事をされたような気がする。でも、もっとしてほしいような……。

 みみかきをされながら、耳元で囁かれたカバーストーリーについては───問題ない。全て暗唱できる。すごいな、みみかき。


 色々と恥ずかしい事をされたような気がする。

 少なくとも、初対面の男性にされるには抵抗があるような事ばかりだ。まぁ、その男性に抱き着いたままで離れたくない今の私が何を言っているのか、という感じだが。

 もしかしたら、彼には会った事があるのかもしれない。私が『忘れて』いるだけで──────。


 私が『忘れて』、私が、私──────私。


 ──────私は一体、誰なのだろうか。


 突然、その考えに至った。

 怖い。怖くてたまらない。

 何もない。私には何もないのだ。

 足元が崩れた。天が落ちてくる。今まで信じていた世界が壊れていく。

 ああ、そうか。こんな風にならないように、テラさんはカバーストーリーを作ったのだ。

 カバーストーリーを覚えれば、偽物の世界だけど安心できる。偽物の世界の外側が何もなくても気づかなければ怖くなんてない。


 ──────そうか、テラさんから離れたくないと思った事は当然だ。


 私には──────ステラには彼しかいないのだ。

 何も見えない嵐の海で、木の板にしがみついているのだ。

 怖い、怖い──────怖い。


 意識が恐怖の闇に落ちていく。

 バラバラになりそうな意識の中、確かな支えを抱きしめていた。


 †


 私が覚えている中で、一番古い記憶は半年前。暗がりの中だった。

 その時。そこでは誰かが言い争っていた。

 男の人と女の人。やがて、男の人が私を連れて行った。

 男の人は多くの人から『先生』と呼ばれていた。

 彼は医者だった。本人は医者が嫌いと言っていたが、勇者の中では彼しか適任がいなかったらしい。

 その勇者はアスクレピオス、と名乗っていた。

 勇者がいた世界の神話に登場する英雄らしい。光の神アポロンの子供で、人に医術を広め、死んだあと神に祭り上げられたらしい。

 アスクレピオスと呼ばれた勇者は欠損した部位を再生し、死んだ人をも条件付きで蘇らせる事が出来た。


 だから、頻繁に人が死ぬ場所に彼はいた。

 神秘隔離秘匿地下研究所──────通称『園』。

 魔物や聖獣、竜種やアイテムを集め、研究する施設。

 特定の神秘を帯びた魔力(MP)などのエネルギーや武器の材料を集めるらしい。

 そこでは頻繁に研究員や戦闘員が死傷した。アスクレピオスは彼らの治療をしていた。私は彼の手伝いをしていた。彼の手伝いをしている人たちの一人になった。


 ヘファイストスと名乗る勇者が武器を作り、研究員と戦闘員を送り出し、アスクレピオスが治療する。

 それを繰り返してきた。

 怪我を治療して。怪我をしてきて治療して。治療して、死んで、蘇って死んで。生き返らせることが出来なくなって。『補充』されて、死なせるために治して──────



 電の槍──────漆黒の二叉槍(バイデント)



 たくさんの人が、医者が、『園』が一撃で砕け散る。

 白かった世界が、建物の構造を無視して黒い電に引き裂かれる。

 いや、違う。この電は『視界そのもの』を破壊しているのだ──────


 †


「──────ッッ!」


 気が付く。息が苦しい。胸が痛い。

 無意識の内に強く抱きしめていた。


 息を整える。腕の力を弱める。

 自分に言い聞かせる。大丈夫。私は今、ここにいる。怖い事もつらい事もない。


 半年前の自分を思い出した。

 思い出してしまった。

 ──────では、その前の私は何なのだろうか?


 『園』に居た時の私──────ステラになる前のR136a1だった私。

 R136a1と呼ばれた頃から私の背丈は変わらない。でも、小さいと感じていた。

 それならば、暗闇で気が付く前の私は大きかったのだろうか?

 分からない、分からない。分からない──────怖い。


 怖くてたまらない。でも──────


『大丈夫、大丈夫だ。もう震えなくて良い』


 怖いし震えそうだ。それでも──────


『ステラ』

『星だ。綺麗だろ。希望とか願いとか目標とか、そういった意味を持つ』

『だから君の名だ』


 テラさん。貴方がいる。

 私の事が何一つわからなくても、ステラの名前をくれた貴方がいれば平気な気がした。


『奪われたもの全てを取り返す』

『どうか君がかけがえのない星を見つけられますように』


 テラさんと一緒ならば、いつかは昔の事を思い出せるようになる気がする。


『一緒に旅をしよう。見た事のないような、素敵なモノを一緒に見に行こう』

『君も誰かの星になりますように』


「テラ、さん──────」


 抱きしめる腕に、ほんの少し力を籠める。

 私は貴方の星になりたい。かけがえのない星になりたい。


 †


 なかなか寝付けない。


 昔の私が分からない事に関しては気にしない、と言う事で解決した。解決してないけど解決したのだ。

 これからの私については、テラさんと一緒に旅をする、と言う事で決定している。決定したのだ。間違いなく。


 そうしたら今度は、今の私について気になってしまった。


 眠れないから考え事をし、考え事が気になり眠れなくなる。

 私自身の事ながら、仕方がない性分だと思う。


 だが、せめて年齢くらい知りたいものだ。

 しかし、どうしたら良いのだろうか?


 突如、目の前に現れる『光の板』──────ステータスプレート。


 自分にしか見えない、魂魄の情報。

 しかしR136a1と呼ばれていた頃のステータスは白紙だった。

 だが──────


 迷い子『ステラ』 lv.23+/150?(内訳(23+?/100+50)+Uncountable) ??歳⇒12歳 女

 職業───???・???

 称号

  被剥奪者

   レベル剥奪。

   加護を貫通するほどの呪いにより名前および??を奪われた。

   下の称号によりある程度は軽減されたものの、完全な解呪には時間が掛かる。

  二度目の祝福

   レベル正常化。

   誰もが当たり前に受け取る、一度きりの当たり前の願いを込められた祝福。

   一つきりの祝福を見失ったが、当たり前の奇跡が再び起こった。

   おめでとう。星を見失った少女よ、君に二度目の誕生に祝福を──────

  冥王の庇護

   ───レベル+?/レベル上限+50───

   冥王と呼ばれる人物から庇護を受けている。

   しかし心せよ。冥王の抱える闇、その深さは近づくほど大きくなる。

 系統───光属性傾倒。力素(エネルギー)系統追従。闇属性耐性極大。

 加護───瞬光神トキミヤミナヅキ。階梯?/10/10⇒3/10/10

    基本六属性───その内、主に力素(エネルギー)系統───の魔術・奇跡の習熟度を大きく上昇。

    また、光属性に関しては一部の権能行使を可能にする。

    現在は呪いにより加護の力が大きく制限されている。

       冥王プルートーン。階梯5/Uncountable

    闇属性の攻撃を大きく軽減する。直接攻撃でない類のものならば、権能すら弾くだろう。

    幸運の上昇。特に金運を重点的に上げる。本来ならくじ運が下がるが、オミットされた。

  HP……Uncountable+1,047/1,865   MP……Uncountable+3,245/3,756

  筋力(STR)……Uncountable+157  知力(INT)……Uncountable+4,830  速度(SPD)……Uncountable+167

  耐久(DUR)……Uncountable+136  精神(MND)……Uncountable+950  敏捷(AGI)……Uncountable+196

  魅力(APP)……93  幸運(LUK)……95  器用(DEX)……87


 …………。

 なんだコレは。


 全体的にUncountable──────測定不能だらけ。

 異常に高い知力(INT)。そして魅力(APP)幸運(LUK)器用(DEX)


 余計に分からなくなった。

 白紙だった頃よりは良いのだろうが、自分の魂魄は一体どうなっているんだろうか……。


 気を取り直して、もう一度見直す。

 取り敢えず12歳らしい。

 被剥奪者は呪われた人が持つ称号。

 二度目の祝福、冥王の庇護といった称号を聞いた事はないが、説明を読めば意味は分かる。


 そして瞬光神トキミヤミナズキの加護と冥王プルートーンの加護。

 おそらく、瞬光神の加護は昔から私が持っていたのだろう。

 冥王テラ=プルートーンの加護はテラさんから貰ったのだろうか?


 人に自分の加護を与えることが出来る人。

 加護を与えるのは高位の神官なら出来るだろう。でも、自分の名前の加護というのはどうなんだろうか。

 気にならない、と言ったら嘘になる。


 本来、ステータスプレートは自分のモノしか見れない。

 だが──────()()()()()()()()()()()()


「世界を光で包み、万物を流転させた大神トキミヤメイキの眷属たる女神トキミヤミナヅキよ。

 貴女は破壊の災厄により大神が砕かれし後、稲光として別たれた魂魄を運ぶ揺り籠。

 闇に閉ざされた光を運ぶ女神よ。どうか貴女の力をお借りしたい──────《閲覧》」


 気が付いたら詠唱をしていた。

 奇跡──────神々の逸話をなぞり、その御業を再現する。


 冒険者『テラ=プルートーン』 lv.416+/600?(内訳(216+200/(100+50×6)+200)+Uncountable) Uncountable+52歳? 男

 職業───冒険者・男爵・英雄

 称号

  異界からの来訪者

   異世界からの転生者である。

   この世界で産まれながらにして異なる世界の知識を持つイレギュラー。

  迷宮の忌子

   詳細不明。現在は効果を失っている。

   ───(冥府神ハーデスの加護。現在は下記の称号に統合されている)───

   ───(■神■■■■■の加護。現在は本人により破棄された)───

  冥王の■■■■■

   ───レベル+200/レベル上限+200(冥府神ハーデスの加護)───

   詳細不明。

  女神の敵対者

   ───レベル上限+50×6───

   詳細不明。

  プルートーン財団創設者

   詳細不明。

   それは人の希望。現行の価値観を壊し、新しい世界を作るもの。

 系統───闇属性傾倒。物質系統追従。光属性使用不可

 加護───プルートーン=ハーデース/異界の冥府神。階梯Uncountable/10/10

    光属性使用不可能。基本六属性───その内、主に物質系統───の魔術・奇跡の習熟度を大きく上昇。闇属性に関しては一部の権能行使を可能にする。

    幸運を上昇させる効果がある。特に金運に関しては他に類を見ないほど高い。半面、くじ運は酷い。

       プルートーン/生ける英雄。階梯Uncountable

    詳細不明。冥王とも呼ばれる。

    英雄として人から信仰される。

  HP……18,634/18,650+Uncountable   MP……187,989/187,034+Uncountable

  筋力(STR)……10,346+Uncountable  知力(INT)……30,879+Uncountable  速度(SPD)……10,087+Uncountable

  耐久(DUR)……10,355+Uncountable  精神(MND)……28,976+Uncountable  敏捷(AGI)……11,987+Uncountable

  魅力(APP)……85  幸運(LUK)……Uncountable  器用(DEX)……83


 《閲覧》──────人や物のステータスを見る神秘。


 自分以外のステータスを見るのはマナー違反とされる。

 だが、見てしまった。

 申し訳なく思う気持ちが強いが、色々な意味で見るんじゃなかったと思う。


 自分以上に多いUncountable。

 そして桁違いのステータス。これが英雄のステータス。


 詳細不明とされる幾つかの項目。

 これらに関して、再び奇跡を使えば暴くことが出来るだろう。


 でも、止めておこう。

 テラさんのステータスを見てしまった事さえ半ば手違いなのだ。これ以上は言い訳が出来なくなる。


『──────いい判断をしましたね』


 †


 石畳の床、壁、天井。

 光源が一切ないのに、不思議と辺りを見渡せる。


 ──────!?


 気が付いたら違う場所に居た。

 これ、は──────コレは何だ?


『ここは迷宮。魂魄(たましい)惑わす迷宮です』


 目の前に現れる『影』。


「貴方は誰ですか?」

『私はヒュプノスと呼ばれる機能です』


 背の高い影が喋る。

 ──────機能?


『ええ、機能です。それと此処では貴女の考えている事は筒抜けですので悪しからず』


 考えている事が筒抜けとなる。

 不思議だが慣れるしかないのだろう。


 機能、此処では──────迷宮では。

 つまり、ヒュプノス、さん?は迷宮で何かをしている機能である。

 現れるタイミングなどから、テラさんのステータスを暴こうとする者を撃退する機能なのだろうか?


『正解です。それと、私の名はヒュプノス、と呼び捨てでお願いします』


 正解か。撃退、されてしまうんだろうか?

 いや、テラさんのステータスならば、私なんて何時でも殺せるだろう。

 それならば、どうするのだろうか?死ぬより酷い事なんて、たくさんある。


『いえ、私は大した事はしませんよ』


 そうなんですか?


『そうですよ。ですが、もう少し好奇心が強くて、この先まで知ろうとしていたら危なかった。私と違ってタナトスは残酷ですからね』


 タナトスというのも機能だろうか?

 ヒュプノスからは大した事はされないらしいが、どうなるのだろうか?


『眠らせるだけです』


 本当に?


『本当ですよ。ここまでの情報なら大した事ありませんから』


 そうなんだ。


『ええ、()()()()()ならともかく、今の貴女なら眠らせれば十分ですからね』


 本来の、私?


『そう、呪われる前の貴女です』


 ヒュプノスは私の事を知っているの?


『ええ、我々は貴女に感謝しています。我が主を何度も楽しませてくれましたからね』


 私とテラさんは知り合いだったんですね。


『そうですね。ただし、ココでの記憶を起きた後の貴女は覚えていません』 


 なんでですか?


『それが呪いの条件に抵触する可能性が高いからです』


 呪い。私に掛けられた呪い。


『ええそうです。

 本来の貴女と今の貴女を結び付ける事が出来なくなる呪い。

 おそらく、我が主は条件を探すでしょう。伝聞なら問題ないのか、会った事がなければ問題ないのか。そもそも知らなければ効果がないのか。呪いの性質を知る事が解呪の糸口になります』


 強い呪いなんですね。


『そうですね。我が主と因縁がある相手が一枚噛んでいます』


 そっか……。

 そんなに強い呪いを掛けられたんだね。

 ねぇヒュプノス。私は何をしたの?


『何を、とは』


 そんなに強い呪いを受ける事になった私は、一体何をしたの?


『──────。守ったのです。

 貴女がこの呪いを受ける事で多くの人が助かりました。

 我が主は表では文句を言うでしょうが、その美点を認めるでしょう』


 守れたの?


『ええ、だから貴女は誇らなくてはならない。

 誰かを守れた事を──────泣くはずだった誰かが泣かなかったことを』


 ──────そっか。


『ええ、貴女は貴女です。たとえ雲に隠れようと、星は同じ場所にあるように』


 ありがとう。


『どういたしまして。それではお別れです』


 そうですか。

 ……さようなら。


『ええ、さようなら。ヒュプノスの名の下に安寧たる眠りをココに──────』


 †


「やれやれ、やっと寝たか」


 午前4時を少し回って。

 一度は眠ったが、ステラが泣いていたので、何度も起きてしまった。


 何度もうなされていたステラ。その度に彼女をあやしていた。

 だが、全てをなんとか出来るワケではなかった。

 つい先ほど、《電の槍》が発動した形跡があった。


 様子を静観していたら、ステラが《閲覧》を使った。

 あれ以上を探ろうとしていたら、強制的に眠らせていた。

 まぁ、結果としては同じ事になったとは言え、危ない事をさせてしまった。

 別の案件ばかり気にしていたツケか。


「移動神殿励起──────安寧なる眠り(ヒュプノス)は待機、来い安寧なる死(タナトス)


 壁が、床が、天井が蠢く。

 幾筋の漆黒の曲線がテラに集まり、漆黒のロングコートを形作る。


 黒装束となったテラは虚空を睨む。


「──────出るぞ」


 実はリメイク前の一話よりも進んでいない事実。


 というワケで四話『微睡みの中で』です。

 眠いけど眠れない。寝たのに短い時間で起きてしまう。

 そんな夜に出歩いたことはないだろうか。

 音のない町。太陽ではなく、星と月が照らす町並み。

 普段とは違う世界。幻想的といっても過言ではないかもしれない。

 日中は何気なく通り過ぎる細い路地。薄暗い廃屋の窓ガラス。何気ない水たまり。

 その向こうには、違う世界が広がっているのかもしれない。

 そんな神秘と幻想に満ちた世界。もしかしたら、微睡みの中に居るのかも知れない。

 ──────夜中に内緒で出歩くように。


 ここまで読んでいただき、誠にありがとうございます。


用語解説

 ステータス

  魂魄に紐づけられた数値化されたルール。

  優劣を決定づけると言っても過言ではない。

  ステータスプレートで確認可能。一部、不可視の隠しステータスがある。

 HP……ヒットポイント。主に怪我や攻撃を食らった際に減る生命力のような物。

     実は年齢に関係ない。年をとっても減ったりはしない。

     0になると死亡。この場合は蘇生は可能。老衰や病死の場合は蘇生負荷。

     生命力ではなく、厳密には体力ではないので注意。0になったら死ぬ、というルール。

 MP……ミステルポイント。魔術や奇跡を使うと減少する。

     減少すると、独特の倦怠感が発生する。

 筋力(STR)……筋力。主に直接攻撃に作用する。

      重い物を持てるようになる。攻撃力が上がる、というルール。

 耐久(DUR)……耐久力。攻撃を食らった際、その影響を減衰させる。

      HPが減り温くなる、というルール。

 知力(INT)……知力。どれだけ賢いか。魔術の技能に直結。奇跡でのダメージを軽減する。

      レベルアップで上昇しないステータス。地道な努力が必要。

      魔術を強め奇跡を弱める、というルール。

 精神(MND)……精神。どれだけ精神的に強いか。奇跡の技能に直結し、魔術でのダメージを軽減する。

      知識と同じく、レベルアップで上昇しないステータス。神官は総じて高め。

      奇跡を強め魔術を弱める、というルール。

 速度(SPD)……速度。移動速度に直結する。

      持ち物が多いと移動速度は落ちる。当たり前だ。

 敏捷(AGI)……敏捷。反射の敏感さ。回避に直結する。

      速度(SPD)が足りないと避け切れないことも有る。バランスよく鍛えよう。

 魅力(APP)……人的魅力を示す。0~100。レベルアップで上昇しない隠しステータス。

 幸運(LUK)……運の良さの目安。0~100。レベルアップで上昇しない隠しステータス。

 器用(DEX)……どれだけ器用か。0~100。レベルアップで上昇しない隠しステータス。


 次回タイトルは『朝日よりも鮮烈に』を予定。

 待ちに待った戦闘シーンです。乞うご期待。


 これからもよろしくお願いいたします。

 感想・評価・お気に入り登録など、お待ちしています。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ