Ep. 1-6「せいかというもの」
数多の力、膨大たる一柱。
恩恵たるは、何を得るか。
「た、ただいま〜…。」
「只今戻りやしたゼぇ…。」
「オカエリなさいマセ、主…疲弊されてイマスが、何ガあったノですか?」
「後で話すよ…それより、貰った要素瓶を見てほしいんだけど…。」
と、鞄をエルジストに差し出す。
その中身を見たエルジストは「ウワア」と酷く驚いていた。
「[拳王]…素手デノ攻撃が得意ナ者を生ム要素ですネ。
此方は[大爆]、凄マジイ爆発を可能トする要素デス。その影響デ、自爆する者ガ多いデス。
後は、[鉄壁]。固イ守りヲ得意とスル要素です…
問題は残リの二本デス。」
と、他とは違う形の瓶を取り出した。
「…主、コノ瓶は何デスカ?」
「その瓶は…ちょび髭の爺さんに交換してもらったんだけど…」
「…主」と、エルジストが迫ってくる。
「コノ要素は[XX]…ト言いますが、コノ要素の効果ハご存知デスカ?」
「ええっと…わからない…」
「コノ要素は審判ソノモノ!害成す者ニ圧倒的な裁キを下ス…メイジャー・アルクナが一柱、最高峰の要素ノ一つデス!」
「もう少しざっくり言ってほしいな」
「デハ、貴方がコノ要素を持ッタ敵を明確ナ敵意を持ッテ攻撃したトします。すると、ソコに理不尽ナ攻撃が降リ注ぎマス。」
「もっとざっくり…」
「殴ルト死にます。」
「理不尽な…!」
「メイジャー・アルクナの面々ハ根源たる力ヲ有する、非常ニ凄い方々ナノデス。もう少し自覚をオ持ち下サイ。そしてコノ要素、組み合ワセ等の情報ガ未知数の為、扱ウのは」
変わった形の瓶を鞄に戻す。そして、次は濁った色の要素瓶を取り出した。
「ソレト、もう一ツ…おや?」
[混沌]を鞄から取り出すと同時に、何か紙が出てくる。
それを拾い上げ、見たエルジストは三つある目を丸くした。
「どうしたの?」
「…凄イ、私が懸念シタ内容に関シテ…書イテいます」
何事かと思い紙を見ると、こう書かれていた。
教育者殿
[混沌]は強力ですが、主の言うことを聞かない事があります。
それは即ち、死です。
しかし、彼の要素と共にし、生まれた者は大人しく言う事を聞くでしょう。
深淵を覗く時、深淵もまたそちらを見ています。 カオス
凄く彼が怖くなった。本当に何者だ?
「…彼、カオスの言ウ事が正シケレバ…心強い者トなるデショウ。」
「[混沌]の能力はどんなのなの?」
「内容ハ至極簡単にして、恐ロシイものデス…生成される者ガ、【信仰者】に限ラレマス。」
「【信仰者】、って?」
「カオスの迷宮ニハ行かれたのデスヨネ?そこに名状シ難い者ガ大多数居たデショウ?」
グレイスはハッとした。
「オ……オオ………ォ………!」
「カ…………カカカカ………カミ……カミ……ミー………」
「RRRRRRRRRRRRRRRRRRRRRRRRRRAAAAAAAAッ!」
間違いなく、彼等のような者が生成されるのだ。
心底ゾッとした。
しかし、好奇心も芽生えた。どのような者が生まれてくるのだろう?
「ねえ、エルジスト…[恩恵]と[混沌]、埋めてみて良い?」
エルジストは少し頭を抱えた。
「コノ手紙の言ウ事が本当ナラ問題無いデスが…ドンナ結果にナッテモ責任は取リマセンヨ?
ですが、主ノ決定でアレバ支持致します。」
じゃあ遠慮なく、と地面に同時に埋めてみる。
…と、埋めてから一時間。何も動きがない。
その間に、アーマー・ガイストが「救急箱やんと遊び疲れやしたゼ…」と来た位だ。
エルジストが何かそわそわし始めていた。
「…何かまずいことでもあった?」
「マズイカどうかはトモカク、流石[混沌]です!一時間カカル者はカナリ高位な者ナノデスよ。」
「う〜む、あっしらは何となく嫌な予感がしますゼ!」
…と話していると、地面から出てきた。人間の手みたいだ。
それがまた…何本も出てくる。そして十本の手が地面から出てきた時、その姿を現した。
「オ……オオオ……ォォォオオ………オオオオオ………!」
まさかの、渦であった。
めるとめろんです!
いろいろかんがえているんですが、しょうじききまぐれなので…ペースはふあんていです!
ごりょうしょうくださいまし!