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「おわりのものがたり」

これは、この御話のずっとずっと前の物語。

始まりのための、終わりの物語。

Ep.1から読んでくれた方が、良いのかもしれない。

入り口が破壊されている。

壁が崩れている。

使役している者はほとんど息絶え、朽ちてしまった。


その迷宮は、よもや再起不能であった。


迷宮の要素を掘り尽くそうと街から人が押し寄せてきたのだ。



結果、この惨状である。

作り込まれた階層は破壊しつくされ、迷宮としては既に「死んでいる」と言っても遜色ない状態であった。



しかし、押し寄せてきた人々は苛立ちを覚えていた。

要素がどこからも産出されなかったのだ。





――要素を求め、迷宮の最奥に、人が押し寄せる。


中には、己の無力さに失望し、地面を殴っている管理者と、長身細身のゴーレムの姿があった。


所謂ボス部屋だ。だが…頑丈にロックされているため、そう簡単には開かない。


…だが、相手は人。それも百を超える軍勢。破壊されるのも時間の問題だ。



「…クソッ…クソッ…何故俺ばかりこんな目に…!」

「人ガみな、欲しガル要素…とはいえ、何故ソコまでシテ奪おうとシタのでショウ…?全てヲ奪ッた先にあるのハ、無しか残ラないと理解してイル筈ナノに…。」


これ以上失望しても仕方ない、と言わんばかりに扉に向き直り、立ち上がる管理人。


「全ての配下に[霧散(ディスパース)]を付加した故、倒された配下は遺体、要素瓶、諸共霧散する…。その証拠に、扉の先からは一切要素を取れていないにもかかわらず疲弊した事に関し、極めて強い怒りの感情が見て取れる。」


管理人は背後に立っているゴーレムの方に向き直り、問を投げかける。


「…エルジスト、()()()()()()()()()()()()()()()()()と言っていたな?」

「ハイ、その言葉ニ嘘はナイつもりデス。」

「具体的にどの程度の衝撃であれば耐えられる自信がある?」

「…」


二人の間に沈黙が走る。エルジストと呼ばれたゴーレムは三つある目を細め、例えを考えている。


「…どうだ?」

「…ハイ、アヴァランチ・ブレイカーのヒップドロップ程度ナラ可能かと。」


アヴァランチ・ブレイカー。

この世界に存在するゴーレム系破壊派生の頂点に立つ存在。

その一撃は迷宮を殺し、現代国家が相手しても30分もあれば壊滅すると言われるほどの強さである。


その一撃を止める、と彼は言ったのだ。その表情には迷いや不安といったものは無かった。


「…そうか、なら…最期に一つ、頼まれてくれ」

「サイゴ…最期…!?アルジ、まさか…」

「この箱を守り…次の主に受け渡せ。」

「いけマセン、それは…私は何年待テバ良いノカ…」



「…じゃあな、相棒。」


そう一言告げた彼は扉に向き直り…詠唱を開始した。


「汝、我に味方せり。数多の王が一柱【創造ノ王(デウスエクス)】…我が身を喰らい、この迷宮を閉ざし、休息を与え給え…」


「…終焉(ラグナロク)世界再編(マーシー)


刹那、その身は消失した。


迷宮に異変が起きる。



出口は封鎖され、人々は逃げ場を失う。

天井は地面に迫り、人々を押し潰す。

悲鳴が次々と上がる。この世のものとは思えない光景だ。(この世ではないのだが。)



しかし、その被害は取り残されたゴーレム、エルジストも例外ではない。


「…ズルいデス、主。そんな言い方をシテ去られると…ホンキで約束を守らなケレバならないデハ無いデスカ。」


一人そう呟いた後…潰されないよう守りの体制を取り、彼は思考を巡らせる。


(迷宮ハ生物の遺体ヤ不純物を喰らい、自然ト成長、再生すル…迷宮が休息中は自己成長、自己再生能力モ、低下スル…ソノ源となる人ガ120人前後、入り込んでイル現状は不幸中ノ幸い…カ。

ソレでも、迷宮が自己再生ヲ終エルには憶測ダガ、百数年…これでも短イ方ダ。)



「…次ノ主が現レルまで、この場所デ待チマス。その時マデ…お休みナサイ、[繁栄(プロース・パー)]。」




その日、主を失った迷宮は入り口を強く閉ざした。



これは、その迷宮が次に生んだ「主」となる生物の物語。

どうも、めるとめろんともうします。

めるとめろんは脳内になにか面白いことばかり思いつくのに形にするきかいがなかなかありませんでした。

なので、めるとめろんはここにかいてみることにしました。

めるとめろんの自己満足というやつなのかもしれません。

よんでいただけたなら、ありがとうございます。

至らない点があるかもしれませんが、そんな時は、一言くださあい。

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