〜迷いと決意〜
〜喫茶店・幽世〜
「さて、どうしましょうか」
2人は1度喫茶店に戻って、作戦を考えていた。
「そうね…あの感じからすると確実に悪霊になりつつあるわ」
2人は真剣に頭をなやませる。
「まず、あの霊が誰で、どんな経緯で亡くなったかが分かればいいのですが…」
ヤマトは立ち上がると店内をウロウロし始める。その表情に余裕はなかった。
「なら、まずは会いに行きましょう」
菊華が放った一言にヤマトの動きが止まる。
「ここで考えていても何もわからないわ。なら、会って確かめてみましょう?」
「…ですが菊華様、あの様子ですと自我を持っているかも怪しいです。何か聞き出せるとは思いません」
会いに行ったところで話が聞けなければ意味が無い。それどころかこちらの身が危険にさらされる可能性の方が高いのだ。
「私の能力を使うわ。そうすれば名前と出身、何があったか位はわかるでしょう?」
「ですが!!あれを使ったら菊華様が辛い思いをするではありませんか!」
ヤマトは必死に止めようとする。しかし菊華はヤマトの目を見て1歩前に出る。
「えぇ。多少は辛いかもしれないわ。でも、今1番辛い思いをしてるのは取り憑かれてる人よ。それに取り憑いてる本人も確実に辛い思いをしているわ」
ヤマトのすぐ目の前まで来ると見上げながら、しかし目には強い光を宿して言い放つ。
「それを救うためなら私はあの力を何度でも使うわ。あの時そう決めたの」
そう言ったあともヤマトの目をじっと見つめ続ける。
「…そうですね。私は臆病になっていたようです。私も、出来ることをやります」
ヤマトはそう言って微笑む。菊華もそれを見てうっすらと微笑み、行くわよ、と言って先に喫茶店を出た。
「ちょ、ちょっとお待ちください!菊華様!もう少し準備をさせてください!!」
喫茶店にはヤマトの間の抜けた声がこだました。




