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〜後日談〜
ーー数日後ーー
カランカランと喫茶店・隠世の扉を開ける音がした。
「いらっしゃいませ。席までご案内致します」
入ってきたのは先日、寧々の件で一緒に行動した男だった。
「店長さん、また来たよ」
彼には申し訳ないが、あの夜のことはほとんど忘れてもらった。彼の中では夢として認識されている。
「では、いつものでよろしいですか?」
「ああ。頼む」
そして、あの日以降毎日のように通ってくれている、大事な常連1人目だ。
「お待たせしました」
彼にコーヒーを持っていくと、彼は窓の外に新しく出来た花壇を見つめていた。
「店長さん、あの花…」
「えぇ。先日あなたに教えて貰ったところから数本だけ頂いてきました。あまりに綺麗だったので、つい」
花壇には先日寧々の件で行った花畑の花が植えられ、とても小さな花畑を形成していた。
「あの場所が1番日当たりがいいの」
いつの間に来ていたのか、菊華も並んで窓の外をみる。
花壇の花は、太陽の陽を浴びてキラキラと輝きながら、気持ちよさそうに風に揺られていた。




