【第二章】第四十二話
予期せぬ攻撃はアミラへのダメージが大きかった。魔力の源泉はモンスターの方にあるが、その元であるアミラを攻撃されたため、アイラは魔力が使えなくなって、足が崩れた。
一旦倒れたアイラが立ち上がろうとした。
「く、来るか!でももう余力が残ってないぜ。」
ハナゴンは魔力を消耗してへたっている。しかしアイラもそれは同じだった。
「たった一撃でこんなになるとは。」
『アイラ、抜け殻を守っていたのは、どうしてじゃん?』
アイラがやろうとしていたことを語った。
「ヤマンバが狙う青い歯は、他の歯周病患者も欲しがっている。それを守っていただけだ。青い歯は、ウイルスバスターだからな。」
「ウイルスバスターって、何だ?」
ハナゴンは急に元気になってアミラに食いついた。
「そんなことを知らずに追いかけていたとは恐れいったな。」
『ヤマンバは知識と行動がミスマッチしてるじゃん。それはいつものことで、死んでも治らないじゃん。』
「メス蚊アマ、ひどいぜ!胸が苦しいぜ!」
「青い歯には抗歯周病ウイルス菌が生息していて、歯周病進行を止めるんだよ。魔法歯医者は外科オペだが、青い歯はウイルスそのものをいわば浄化するってわけだ。根本的治療には最適という便利グッズなんだよ。」
「そういうことだったんだ。ならば、それをもらってもいいよな?」
「それは無理ですわ。ハナゴンさんがアミラを攻撃した時、破壊してしまいましたわ。ほらそこに残骸が転がっていますわ。」
ハナゴンは花子に戻っていた。花子は粉々の青い歯をガン見している。
ハナゴンは、青い歯をゲットするという大きな目標を失ってしまい、自分自身をも萎ませてしまった。そして花子に戻ったのである。




