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【第二章】第二十一話

翌日、黒十字歯科総合病院にやってきた三人。


花子はすでにハナゴンになっている。


「よ~し。今日から頑張るぞ。週間診療報酬が足りないからな。そう言えば、焼肉女は休んでいた間、よく退学にならなかったな。」


「ワタクシはあなたとは違って優等生ですから、報酬は余裕綽々ですから、多少の欠席は繰越分で十分おつりが出ますわ。」


「その言い方、ムカつくぞ。こうなったら、最初から全力で抜きまくるからな。」


「そんなに気合いを入れて大丈夫ですの?モノには限度がありますわよ。」


「そんなことどうでもいいんだよ。もう一年ぐらい休んでもいいレベルでやってやるよ!おあつらえ向きに獲物が一匹やってきたぜ。」


小顔の三つ編み女子高生がハナゴンたちの方に歩いてきた。

半開きの口から紫色の歯が見える。すべてが紫色であり、歯周病モンスターであるに違いない。


「やってやるぜ!」


ハナゴンは持ち前のパワーで三つ編み女子高生の首を掴んだ。


「それ、抜き抜き抜きだ!」


ハナゴンは宣言通りに一気に3本の歯を抜いた。引きちぎったと表現する方が適切であろう。ハナゴンの持つ歯からは、粘っこい血液が長く伸びている。


「気絶しやがったな。あとは一気に全部引っこ抜いて、一次処理は完了だ。」


ハナゴンの手は血まみれになっていた。滴り落ちる血液が残忍さを物語っている。


「こいつらはもう要らねえ。てか、持ってるとあぶねえし。」


ハナゴンは抜け歯の集団を投げ捨てた。


「遂にやりましたわね。なんのためらいもありませんでしたが、ハナゴンさんに何かありまして?ねえ、きゅうりちゃん。」


「別に。ヤマンバがやりたいように勝手にやってるだけじゃん。」


「ふたりで何ゴチャゴチャやってるんだよ。次の授業が待ってるんだから、予習は早く終わらせてくれよ。抜け殻は気が短いんだぞ。」


「早く抜け殻の出血を止めないといけないという意味ですわね。わかりましたわ。痛っ。」


絵梨奈は前歯を抜いて、人間大のゴーレムが姿を現した。

ゴーレムは自分の手を閉じたり開いたりという運動を繰り返した。すると、ゴーレムの手のひらには、32本の歯が揃っていた。


「このインプラントを使うといいですわ。」


ハナゴンはインプラントを手際よく三つ編み女子高生に植え付けた。

三つ編み女子高生が気を失っているうちの手術であり、麻酔不要だった。

そうしているうちに、捨てられた歯がモコモコと固まり、人間のような形になってきた。デスマスクのような灰色の顔、体である。


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