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【第二章】第二十話

「Qもどうしたらいいのか、いい知恵が浮かばないじゃん。こういう時って、ショックを与えればいいんだろうけど。頭を殴るとかじゃん。」


「そんなのダメだよ。牙狼院さんは病み上がりなんだから。この状態でさらにケガでもしたらどうなることか。」


「それもそうじゃん。そうなると、ますます迷宮入りじゃん。」


「う~ん。そうだね。別のことを考えてみよう。牙狼院さん、目覚める前の記憶はないのかな?」


「目覚める前ですか?・・・。そう言えば、黒い帽子の女の子にキスされて、その後の記憶がありませんわ。って、キ、キスですって?し、知らないうちに、ワ、ワタクシの初めてがぁ!」


白目を剥いて仰向けに倒れた絵梨奈。


「ファーストキスを失ったぐらいで、卒倒するとか、子供サイズのハートじゃん。」


「そ、そうかな?ファーストキスって、すごく大事なイベントなんじゃないかな。ファーストキスを奪われた乙女の気持ちって。あたしはまだだから気持ちがよくわからないし。ううう。あれ?どうして、あたし、泣いてるんだろう?」


「そ、その顔。泣き顔、何か引っかかりますわ。」


「まさか、これがヒント?だとすると、あたしの深層心理が求めているもの。・・・。ゴクリ。こうすればいいのかな。痛い!でも気持ちいい~。」


 花子はナタで虫歯をつついて、痛み涙からうれし涙に変化し、そのままハナゴンに変身した。涙を流す状態はキープした。


「こ、これはハナゴンさんの、オトコ泣き!レ、レアモノですわ~!」


「焼肉女!記憶が戻って良かった!」


おいおいとさっきより激しく嗚咽するハナゴン。泣きながら、絵梨奈に抱きついている。


「ちょっと、顔が近過ぎますわ!そんなに強く迫られますと、ワタクシは、ワタクシは、・・・萌へ、萌へ、萌へ~!」


復活した絵梨奈は萌え尽きて再び意識を喪失した。


花子と絵梨奈は女子寮でも同室に戻った。


「そうすると、どうしてもひとり余ってしまう。」


「絵梨奈を助けたのはどこの誰じゃん?」


「仕方ありませんわね。ならばこうするしかありませんわ。」


「牙狼院さん、きゅうりさん、ちょっと狭いんだけど。それに真ん中のつなぎ目が背中に当たって、違和感があるんだよ。」


二台のベッドをくっつけて、3人でシェアしていた。


「プン、プン、プン。1パイの票の違いがこれほどとは!実に憲法違反な社会じゃん。」


ベッドを横から見ると、大きな山が4つ並んで、その先からは急降下する形状となっていた。



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