【第二章】第八話
ハナゴンは口を大きく開けてポカンとしていた。
「萌ふぇ~!」
ハナゴンの呆けた顔に『1萌ふぇ~!』で反応した木憂華。こちらも呆けている。
しばらくしてふたりが現実に回帰した。
ハナゴンは不機嫌そうである。
「でもこれじゃ、痛いだけじゃねえか?」
「これでもまだわからないのかじゃん。さっきまでのことをよく考えるじゃん。自分にウソをつくじゃん。」
「それは、もしかして、痛いの、痛いの、飛んでけ、的な?」
「そういうことじゃん。心頭滅却すれば火もまた涼し。それだけのことじゃん。」
「それって、ただのドMだぞ!」
「一言でいうとそうなるじゃん。」
「そんなの、いやだあ!」
「でもそうやって耐えるのが、魔法歯医者じゃん。痛いのは、患者だけでなく、自分もじゃん。他人の痛みを知ることこそ、魔法歯医者の道じゃん。」
「そうまでして、オペ使いになる必要があるのか?」
「それは自問自答すればいいじゃん。それにQが言ったことはデタラメじゃないじゃん。」
ハナゴンは木憂華の強い調子の言葉に沈黙した。
「俺は何のためにこの学園都市にやってきたのか。青い歯。母親。それに青い髪の女子。それに、今日は点数リミットの土曜日。このままでは退学になってしまう。それになによりも焼肉女。・・・。ええい!こうしてくれる!痛いの、痛いの、飛んでけ~!」
オオナタで虫歯を連続攻撃したハナゴン。
「やっぱり痛~い!って、ほどでもない。もしかしたらこれが自己暗示?いやオペをしたいということの方が重要だと、大脳が判断したということか?」
ハナゴンの大ドリルは大きさは変わらなかった。ハナゴンは大ドリルを振ってみた。
「軽い!持ってないみたいだ!これだとさっきの、すばしっこい歯石獣もやれるぜ!」
ハナゴンは体を揺さぶって、全身で喜びを表現している。
『ぷるん、ぷるん。』
揺れ動くハナゴンビッグバスト。
『むにゅ、むにゅ。』
頬を滝の修行僧のように打たれる木憂華。ハナゴンを全力でハグしていた。
「こら、何をする?」




