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【第二章】第六話

「あたし、Qの言う通りにする。」


 花子は自分で虫歯を強く打った。苦悶の表情をしたところから、痛覚は残っているらしい。


「しめしめじゃん。」


子供のように顔がほころぶ木憂華。体の大きさでは、そもそも子供サイズであることは現状維持。


「俺は好きな人のためなら何でもする。」


無表情でそう言う花子は、ハナゴンに変身していた。


「よし、これで準備完了じゃん。ではお楽しみ指令第一章開始。Qを愛撫、抱き、ハグ、しがみつきするじゃん!」

最初の指令にしては、てんこ盛りである。


「わかった。Q。愛撫、抱き、ハグ、しがみつき。」


 指令に従う様子は、花子時代と同じなハナゴン。


「萌ふぇ~!萌ふぇ~!萌ふぇ~!萌ふぇ~!」


うれしさのあまり、萌え死にそうになる木憂華。


しばしハグ状態が続いていた。


「こ、これって、違うじゃん!」


 木憂華はハナゴンを引き離した。


好きでたまらず必死に追いかけていたものがあっさりと手に入ると、逆に手を引いてしまう。


好きなものは、最初は好きから始まるが、なかなか手に入らないと、手にするための手段・手法を考えるあまり、手段と目的がどこかで入れ替わってしまう。お宝をゲットした瞬間すべてが燃え尽きてしまう。悲しい人間の性である。


大恋愛の末、結婚まで漕ぎつけたが、そう遠くない時期に離婚という結果となるのはよくあることである。

あまりに正面から抱きつかれると逆にひいてしまう。


弾き飛ばされたハナゴンは、尻餅をついた。


「あれ?あたしはいったいどうしてたんだろう?そういえばハナゴンになって、茎宮さんに抱きついて・・・。」


 自我を回復した花子は顔が真っ赤になった。


「それでわかっただろうじゃん。自分にウソをついていたことを自覚したじゃん。」


「それって、自己暗示をかけて、虫歯を刺激しながらも、痛みがないと思い込んで、オペを行うっていうこと?」


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