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【第二章】第一話

花子と木憂華は白い制服姿で、駅前の噴水広場に来ていた。


「ヤマンバは、魔法治療ってできるのかじゃん?」


「できるよ。でも痛いからあまり使いたくないだけだよ。ホントは使いたいけど。いやなんでもない。」


「ふふん。じゃあ、特訓の前に腕試しといくじゃん。」


学園都市ではいちばん人通りが多いため、今日も歯の痛みを訴える患者はたくさんいる。


「腕試し?どっちにしても、診療報酬を稼がないといけないから、テキトーにやるよ。う~ん、嫌だけど、やるしかない。」


「おおお、キター!!!」


両腕を前に出して全力ガッツポーズの木憂華。


「ガギッ!痛い!」


虫歯をナタで突いて、いったん口元の筋肉を歪ませた花子。


「萌ふぇ~!生き返るぅ~、じゃん。」


木憂華は満を持して萌えた。


「痛いを超えると、気持ちいい~。」


 すぐに、ドM恍惚モードに転換し、腰を艶めかしく振って、花子はハナゴンに変身した。


「これで準備OK。狩るぜ!」


ハナゴンは三人の男性を大ドリルで軽く叩いて歯垢獣を出し、即座に倒した。


虫歯の病状の軽い内は、歯垢獣は人間の口内に寄生しており、人間に軽い刺激を与えることで、体内から追い出すことができるのである。


「アレ、治療してみてじゃん。」


位置の大きくズレた黒縁メガネ、緩めたネクタイ、ズボンからはみ出たワイシャツの裾を揺らしながら、酔っ払いのように歩いてくるサラリーマン。


「あいつ?いかにも弱そうな人間なんだけど。」


「それはどうかじゃん。やってみればわかるじゃん。」


「おっさん相手に気持ち悪いけど、仕方ないなあ。それにしても、コイツ、息がすごくクサいなあ。歯をまったく磨いてないのか。」


鼻をつまんで少し鳴らしてから、大ドリルを右手に持って、メガネ中年をコツンとやったハナゴン。メガネ中年は少し体が揺れたが、振り子のように元の態勢になんなく復帰。


「あれ?おかしいなあ。もう一度コツンと。」


今度はあまり揺れなかったメガネ中年。


「打ちどころが悪かったのかなあ。」


自分の悪いアタマでも打ったような発言のハナゴン。


「ふふん。」


ハナゴンを見てニヤリとする木憂華。


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