【第一章】第三十四話
「ぐッ。・・・痛いじゃん!」
木憂華が抑える左腕が赤く染まっている。
「・・・。」
黒い帽子の女子は無言である。
「これは奥歯と血液でピストルと銃弾を作ったじゃん。二種類のゴーレムを作るとは、高度な魔法を使ってるじゃん。」
黒い帽子の女子は口を閉じて、色のない瞳を木憂華に向けたままで、木憂華の言葉を聞く様子もなく、再び引き金を引いた。
『バーン』
今度も弾丸は木憂華に当たった。狙いは右腕。流血したのか、腕全体が真っ赤に染まっている。
「ぐぐぐッ。痛~いじゃん。でも今度はさっきとは違うじゃん。」
木憂華の右腕の手前で、銃弾が刺さって止まっている。
「Qも治療魔法使いの端くれじゃん。注射器から血液を出して、赤いゴムを作ったじゃん。これは強力な緩衝材になるじゃん。でも血の量がもう足りなくなくなったじゃん!」
依然として無表情な黒い帽子の女子は、連続して引き金を引いた。
「連射もできるじゃん。これは危険過ぎるじゃん!」
地面に横っ飛びして、ころがりまわって攻撃をスレスレでかわした木憂華。
「ハアハアハア。もう限界じゃん。このままではやられるじゃん!」
膝をついて立ち上がろうとする木憂華の息が上がっている。
黒い帽子の女子は、もう一本奥歯を抜いた。
「に、二刀流なんて聞いてないじゃん!これはヤバ過ぎるじゃん。防御不能、絶体絶命じゃん!」
『バン!』『バン!』『バン!』『バン!』『バン!』『バン!』
6連発。木憂華は倒れたまま動かくなった。
「痛~いじゃん!痛過ぎて悲鳴も出ないじゃん。・・・って、Qの声、出てるじゃん。青い髪!?」
「そこまでだ、アミラ。」
青い髪の女子が、機動隊の持つようなジュラルミンの盾で銃弾を防いでいた。よく見ると盾の色は白い。黒い帽子の女子の口元が赤くなっており、こちらもどこかの歯を抜いたらしい。
「アイラ!助けに来てくれたじゃん。ありがとうじゃん!」




