【第一章】第三十一話
仕方なく、倒れた木憂華の髪を掴んで引っ張っていくハナゴン。
事務室隣の教室の引きドアの取っ手に指を入れたハナゴン。かなり力を込めて引いている。
「こ、これは固いぞ。俺の力でも動かねえ。」
「そ、それはこうしないと開かないじゃん。」
ようやく復活した木憂華は注射器を取り出していた。大きさは特に変化しておらず、小さいままである。
「そんなものをいったいどうするというんだ?」
「バッカじゃないじゃん。まあ、低能なヤマンバらしいじゃんけど。力で開かないものは、なんらかの魔法がかかっているものじゃん。」
木憂華は注射器をドアの隙間に差し込んだ。
『カラカラカラ』
擦れるような音を立ててドアは開いた。
「「黒い帽子の女の子!」」
木憂華とハナゴンは同時に大きな声を発した。
「・・・・。」
黒い帽子の女子は、無言だった。それもそのはず。
「「WWWWWWWWWWWWWW~。」」
木憂華とハナゴンも言葉を失った。
黒い帽子の女子は絵梨奈の口を吸っていた。
しばらく木憂華とハナゴンは、黒い帽子の女子と絵梨奈の秘蔵の行為を、生唾を何度も飲み込みながら見ていた。
『『プチーン。』』
木憂華とハナゴンの緊張の糸が切れた。
「「な、なにやってるんだ!そんな楽しい、じゃなくてとんでもないことを!」」
「・・・・。」
黒い帽子の女子は引き続き無言だった。
やおら、黒い帽子の女子が口を絵梨奈から離した。その瞬間、ハナゴンの息が止まった。
「あ、青い歯!」
「やっと不純同性交遊を止めた!」
木憂華がホッとした直後。絵梨奈がゆらゆらとしながら立ち上がった。




