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【第一章】第二十九話

「スゴいパンチ力じゃん。それにこいつ、いきなり目が据わってるじゃん。人間の目じゃないじゃん。それにすごく強そうじゃん。・・・す、て、き、じゃん。萌ふぇ~!萌ふぇ~!」


口から血を流している木憂華の目は、超だらしなく大波を打った。すぐに立ち上がった木憂華だったが、さらに興奮したのか、呼吸を荒げた後に、大きく深呼吸した。


「ハァハァハァ。あ~苦しかったじゃん。お前、たしかハナゴンとか言ったな。ハナゴンの手伝いをしてやるじゃん。絵梨奈を探してやるじゃん。」


「俺のパンチがそんなにおいしかったのか。それはありがたい。」


「だが、条件があるじゃん。Qは吸血鬼じゃん。だから、血を飲みたいじゃん。今殴られたキズを治すのに必要なんだじゃん。」


「ちょっと待て。それって、この建物の中でやっていた本生ってヤツなんじゃないのか?スゴくエッチな?」


「アレとは違うじゃん。血を吸うとは、こうするのが本式じゃん。」


木憂華は腰に付けていた注射器を取り出して、ハナゴンの腕にプスリ。そのまま吸引して、引っこ抜いた。


「それを飲むのか?」


「飲む?そんな野蛮なこと、するわけないじゃん。プスリ。あ~、生き返るぅ~!」


木憂華は自分の頬に注射し、恍惚となった。すると、木憂華の頬のキズがみるみるうちに恢復した。


「絵梨奈はおそらく歯周病モンスターに乗っ取られたじゃん。」


「どうしてわかる?」


敵意剥き出しのハナゴンの強烈な視線を向けられた木憂華。


「そんな目で睨まれると、・・・バンザイ、萌ふぇ~!」


木憂華は万歳しながら萌えている。新しい形の萌えポーズが誕生日を迎えたのである。


「気持ち悪いなあ。これじゃ、焼肉女と同じじゃねえか。おや?でも何か違うような?」


「Qは血を舐めればいろんなことを解析できる。」


「それは本当なのか?ちょっと信じられないが。」


茶色の髪を撫でながら、視線を逸らしたハナゴン。


「ヤマンバ風情に言われたくないじゃん。ならばヤマンバの血を少しくれじゃん。」


「さっき血を取ったばかりじゃねえか?」


「それとは違うじゃん。女の部分から溢れ出てる血液があるだろうじゃん。」


「お、女?そ、そんないやらしいことを口にするんじゃねえ!」


「はあ?何言ってるじゃん?ヤマンバの虫歯から少し出血してるじゃん。」


「あっ、そういうこと。なぁんだ。」


「いまじゃん!」

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