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【第一章】第十八話

「針が刺さりませんわ。筋肉がすごく固くなっているようですわ!」


「今、チクリとしたぞ。てめえ、俺に何かしやがったな。そんな軽い痛みは嫌いなんだからな。どうせやるなら、もっと痛くしないと!」


ハナゴンは注射器をものともせず、刺さったままクレーマーとなっている。


「そんなへっぽこ安物注射器じゃ、効果ないに決まってるじゃん。そんなヤツをやるならこれじゃん。」


歯ブラシに乗って現れた小柄な美少女。それも身長130センチ未満とおぼしき超小型ミニマム級である。リリーズの制服を着ているが、袖と裾がダボダボである。髪は深紅のツインテール、大きな丸い瞳は赤く輝いており、小さな丸顔によく似合っている。


「あなたがなぜここに?」


 絵梨奈が超小型少女の顔を睨めつけるように見るが、小型少女は絵梨奈の顔に視線を送らず、言葉を返す。

「同級生なんだからここにいるのは、当たり前じゃん。」


「何をふたりで話してるんだぁ?さっきの注射はちょっと痛かったぞ。俺が注射嫌いなのは知ってるだろう。このキズの恨み、はらさで置くべきか!があああ!」


眉間にフォッサマグナを掘って、絵梨奈の方へダッシュしたハナゴン。


「コワいですわ!なんて恐ろしい顔をなさるのかしら。花子さんとは別人のようですわ。」


ハナゴンの鬼の形相に怯んだ絵梨奈。


「弱い者は嫌いだ。そんな下らない輩は、一気に畳んでやるぜ!」


ハナゴンは大ドリルを大上段に構えて、絵梨奈に振り下ろす。


「きゃあああ~!」

 

 絵梨奈はムンクの叫びのようなポーズで悲鳴を上げた。


『ブスリ。』


うわあ!バタン。ハナゴンは巨大な注射器を腰に刺したまま、倒れて白目で泡をふいている。


「ワタクシを助けてくれましたの、きゅうりちゃん!」


「その名で呼ぶな!Qには茎宮木憂華くきみやきゅうかという名前があるじゃん。呼ぶなら木憂華にしろじゃん。」


「何をおっしゃいますの。ワタクシたちは幼なじみ。小さい頃から仲良しではありませんか。」


「そんな昔のことは忘れたじゃん。」


「じゃあ、どうしてワタクシを助けてくださったのかしら?」


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