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【第一章】第十七話

(これはスゴく重いですわ。山場さんはこれを片手で持ち上げていましたわ。泣き顔がかわいくてパワフル!これはひょっとして)


「あ~あ。あたし、ホントダメダメだねえ。でも入学したばかりで運が悪いだけだよね。」


「脳天気なところはいただけませんわ。」


「ムムム、なんだかダメなあたしにムカついてきたよ。・・・ウガアアア!こんなナマクラナタが持てなくてどうするんだよ、俺!」


「ナタでココ掘れ~!」


花子はいきなり吠えて暴れ出した。軽いハンドバッグのようにドリルを片手で持ち上げている。比較的濃い眉毛が伸びたように見える。


「俺の中の何かが目覚めだぞ~!」


『ドドド!グワッシャー!』


ドリルで赤い郵便ポストをぶっ壊した花子。


「さっきは虫歯を突いて痛かった。これはてめえのせいか?」


「いきなり何をおっしゃるの?山場花子さん。」


「俺は花子じゃねえ、ハナゴンだ!」


「わけがわかりませんわ。頭でも打ったんですの?」


「ナタでココ掘れ~!俺に虫歯を治療させてくれ~!できれば重度な虫歯がいいけどな。でも贅沢は言わねえ。なんならC1レベルでもいいぞ!」


太い針がギュンギュン鳴っている大ドリルを片手で振り回している歯医者に、近寄る者などいるはずもない。


自称ハナゴンは鬼気迫る表情で、付近にいる通行人を片っ端から捕まえて、大ドリルで歯を砕いている。


「虫歯じゃない人を治療してどうするんですの?それはもはや治療ではありませんけど。」


「邪魔するなら、てめえも同罪だ!」


「ワタクシ、罪は犯しておりませんわ。」


絵梨奈の言葉が気に障ったのか、ハナゴンは大ドリルを頭上に上げてグルグルと回している。


絵梨奈はハナゴンを止めようと腕を取ったが、軽く振りほどかれただけでなく、逆に吹き飛ばされて、地面に激しく腰をぶつけてしまった。



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