【第一章】第十六話
「何をしているんですの。もっと体を安定させないといけませんわ。」
「うわあ!目の前が真っ暗になったよ。皆既日食が始まったのかな?」
花子が突然大きな声を出した。
「いきなり日食が起こりますか!山場さんの顔が歯垢獣に襲われていますわ!」
「ええっ?そうなの?」
「ほら、早くその武器でなんとかするのですわ。」
「そんな無理だよ。全然コントロールできないよ!このままじゃ、窒素しちゃうよ!」
「もう本当に手のかかる生徒ですわね。」
絵梨奈は口の中に手を入れた。
(カチッ、痛っ。)
花子には聞こえないように小さく歯を抜いた絵梨奈。絵梨奈はあっさりと歯垢を倒した。(大して稼げないのに、痛い思いをするのはイヤですわ。)
絵梨奈はポツリと愚痴った。
「牙狼院さん、ありがとう。また助けられちゃった。てへっ。」
「てへっ、じゃありませんわ。どうして自分の武器がちゃんと持てないんですの?」
口を尖らかした絵梨奈。
「だって、武器使うので難しいんだもん。グスグス。」
反論する花子の頬に涙がミミズのように這っている。
花子の泣き顔を見て絵梨奈の表情が変わった。
「か、かわいいですわ!・・・これ、これって・・・、ドキがムネムネしますわ。」
頬を紅潮させて、胸に手を当てている絵梨奈。
「惚れホレ愉快ですわぁ!」
今度は絵梨奈の頬がミミズのように不気味に蠢いた。
「ううう。」




