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【第一章】第十二話

「ずいぶん強気だねえ。でも勝負はフタを開けて閉めないとわからないよ。」


「中身は永遠に見えないとでも言いたいのかしら。」


「ここの生徒って、何人いるの?」


「それはワタクシにもわかりかねますわ。さっき申し上げた通り、脱落者は、あまたおりますので。とにかく、もう授業は始まってますわ。ほら、そこのフィールドに患者がいますわ。」


絵梨奈が指差した方向に、ひどく虫歯を痛がる中年女性がいた。その隣に小さく灰色のスライムが見える。


「治療代の少なそうな歯垢獣ですわ。」


絵梨奈一言発して、口の中に真っ白な手を入れた。


(痛い!)


絵梨奈は花子に気づかれないように、小さな声を出した。絵梨奈は手にしたサイコロを歯垢獣に投げつけた。歯垢獣は列車の時と同じように、消滅した。


絵梨奈は中年女性の前に立った。


「ありがとうございました。」


中年女性は眉間に少しシワを寄せて、あまり気持ちのこもっていないお礼を言った。


「あなたは以前にも治療したことがありますし、今回は保険適用ですから、治療代はこれです。今度はきちんと払ってくださいませ。ワタクシは一度請求したものは決して忘れませんわ。」



絵梨奈は請求書を中年女性に渡した。そこには15,000円と書かれていた。


「わかりましたよっ!」


不満そうな様子で中年女性は去っていった。


花子は目を爛々と輝かせて絵梨奈を見た。


「今のは魔法だよね。列車の時は気づかなかったけど、さっきはよく見えたよ。」


「そうですわ。ちょうどいい機会ですから、診療報酬の請求方法について説明しましょう。患者がそばにいた場合は、患者から診療報酬をもらいます。支払い確認は自分で行うのです。もし患者がそばにいない場合は学園が払ってくれますわ。なお、治療には保険適用と、自由診療がありますが、学園内でのカウントは、患者から直接支払ってもらう金額となりますので、なるべく自由診療を狙うべきですわ。そして、学園は歯垢獣原因患者を探して請求するのが仕事。診療報酬を貯めると強力な魔法が使えるようになりますわ。使えないと、還らぬ人者への特急券がもれなく受け取れますわ。もたもたしてると、獲物、じゃなかった患者を他の生徒に取られますわよ。」


「そ、そうなんだ。でもあたし、魔法なんて使えないよ。」


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