2話 建物の種で家を育てました。
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「さて、無造作に耕しても仕方がないし…何の種を植えるかをまず決めるか」
「でしたらまずは済む場所は必要ですよね。その次に家具や生活用品、食料系でしょうか?」
「そうなるけど…あった。建物の種」
建物の種をタップすると次のように書かれていた。
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建物の種は育つまで1週間はかかります。植えるときは計画的に。
ログハウス風一軒家…10万ポイント
ツリーハウス風一軒家…10万ポイント
和風一軒家…10万ポイント
洋風一軒家…10万ポイント
ログハウス風二階建て一軒家…20万ポイント
ツリーハウス風二階建て一軒家…20万ポイント
和風二階建て一軒家…20万ポイント
洋風に階建て一軒家…20万ポイント
ログハウス風三階建て一軒家…30万ポイント
ツリーハウス風三階建て一軒家…30万ポイント
和風三階建て一軒家…30万ポイント
洋風三階建て一件や…30万ポイント
お屋敷(三階建て)…50万ポイント
領主城風…100万ポイント
王城風…500万ポイント
柵…10ポイント
痺れ柵…100ポイント
石壁…50ポイント
城壁…1000ポイント
レベルが上がると項目が増えていきます。
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「お城の種まであるんだ…。まあここで突っ込むと後々で困りそうだしスルーするとして…そうだな、ツリーハウス風三階建て一軒家にするか」
「そのセンス…やはりついて行けませんが、どこに建てるつもりですか?」
「う~ん…あの小高い所にしよう。見晴らしも良いだろうし」
「では、参りましょう」
何だろう?ナビ子さんの態度がどんどん横柄になりつつあるような…。
まあいいか。俺は小高い丘を登り景色を見渡す。整地されているがなかなか壮観な景色だ。
家を建てる場所を決めて、大地を耕す。と言っても種1つ分の場所だけなので異界耕す分だけで良い。
「うおっ。神鋼の鍬、軽いわ~」
「では、肥料を加えて土を馴染ませましょう」
「肥料、肥料・・・と」
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万能肥料1袋…100ポイント
栽培強化肥料1袋…500ポイント
成長強化肥料…500ポイント
神の肥料…1000ポイント
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「思ったよりも少ないけど…神の肥料で良いか」
「惜しげもなくポイントを使っていきますね」
「ケチってもしょうがないし、家は良い作りにしたいしね」
神の肥料をタップすると袋に神と書かれていた。
中身は無臭の焦げ茶色の粉末だった。
耕した土に肥料の粉末を撒き、さらに鍬で耕す。
神の肥料が十分土と混じったところで、ツリーハウス風三階建て一軒家の種を植える。
「この普通サイズの種が本当に家になるのかなぁ…?」
「まあ、水を上げて育つのを待ちましょう」
「待ちましょうって…育つまで1週間はかかるんだから、食料系の種を植えないと…」
魔法のジョウロを傾けるナビ子さん。る儀の瞬間、水が出てきたのを見て俺は驚いた。
「え…水、入ってたの?」
「いえ、そう言う仕様なんです。傾けると無限に水が出ます」
「どこまで至れりなのか…」
ここまで至れり尽くせりだと乾いた笑いしか出ないススムだった。
「アレ…?え、ウソ!?」
ナビ子さんが水を与えた場所からもう芽が出たのだ。水を与えてまだ1分も経ってないぞ?
「どうしたです?」
「いや、だって…もう芽が」
「神の肥料と魔法のジョウロ(神憑り)にススム様の『超豊穣』の影響ですよ」
「え…と。ほう…なるほどね」
ナビ子に言われた項目をタップして納得した。
まず、神の肥料は栄養増加・成長速度・栽培量増加・品質強化が必ず付与されている。魔法のジョウロ(神憑り)の水は、病気抗体・旨味成分増加・栄養価値増加・追加効果付与・成長促進が含まれている。そして、超豊穣は、通常の10倍の速さで栽培を可能にし、そのうえで通常の3倍は豊作にすると言うまさにチート能力だった。
「…これ、凄すぎるなぁ。しかし、そうなると家具や生活用品もすぐに植えないといけないよな」
「少し離れた場所を耕して育てましょう。…どうせなら、どんどん耕して色んなものを一気に栽培するほうが良いかもしれませんね」
「確かにその方が効率が良いな。よし!いっちょ耕しまくるか」
とりあえず、村があった平地を耕し始める。
神鋼の鍬と言うだけでなく体が強化されているので疲れることなくサクサクと耕していく。ナビ子さんは俺が耕した場所に神の肥料を撒いてくれている。
気づけば村があった平地を全部耕していた。時間にして2時間をぶっ通しでだ。ナビ子さんは疲れて休憩していたが、俺は全く疲れていない。さて、家の方はどうなったかな?
小高い丘を見上げるとそこにはぶっとい幹の大木が立っていた。
「アレ?ツリーハウスが見えないんだけど…」
俺の考えていたツリーハウスは木の上に小屋の方が建てられていると言うモノだったんだけど…どう見てもそれらしき建物は見えなかった。
「ナビ子さんや」
「な~に~…」
「ツリーハウスの建物が見当たらないんだけど…どうなってるのかな?」
「ツリーハウスの定義は生きた樹木を建築上の基礎として活用する人用の家屋であるてことなの。つまり…あの樹自体が家なのよ」
「ハハハ…マジかよ」
俺はナビ子さんを連れてツリーハウスに近づく。
おおっ。樹に扉がある。本当に樹の中い住居の空間が?
逸る気持ちを抑えながら、俺は扉の中に入った。
「…スゲェ。樹の温もりが広がるリビングとダイニングルームにキッチン」
中を見ていくと、リビングにはソファが3つもありテーブルも結構大きい。ダイニングも長方形のテーブルに椅子も10席ある。キッチンには水道、コンロやオーブン、レンジ、冷蔵庫がある。
「…これ、コンセントが無い?どうやって動いているんだ」
「魔力の鉱石で動いているんですよ」
「魔力の鉱石?」
「この世界には10種類の魔力の鉱石があるんですよ。その種類によって動くことが出来るのが『魔道具』なんです」
「魔道具?」
「こちらの世界には『化学』が無い代わりに『魔法』が発展されています。『魔力の鉱石』も魔法の発展とともに使い方が研究されて、『魔道具』と呼ばれる便利な生活用品を作り出したんですよ」
「つまり…地球出の科学用品がここでは『魔道具』におきかえったということか?」
「簡単に言うとそう言うことですね」
魔法…考える以上に便利なモノだな。
「魔道具は必要な魔力鉱石を供給する限り永久に使えます。コンロやオーブンにレンジなどは『火魔力の鉱石』を、冷蔵庫なら『氷魔力の鉱石』と言う風にです」
「だから種の中に『鉱石の種』なんてのがあったのか…」
「普通は鉱山で採取するものなんですがね…」
「さて…こっちの扉班だ?」
扉があり開いた先には湯気が立ち込めていた。
「奥には浴場もあるみたいだけど…どう考えても樹の大きさと中の広さが合ってないみたいなんだけど…?」
「そう言う仕様ですよ。深く考えちゃダメです」
「…そうだね」
『神様って何でもあり』ってことで納得しよう。
考えだしたら農業スキルだって納得できなくなるしね。
中央には2階続く階段があり、隣の扉はトイレだった。
「…今、普通に疑問に思ったんだけどさ…」
「何ですか?」
「…ゴミとか排水物の処理ってどうなってるんだ?」
「全部分解されて大地の栄養なるようになっています。農業スキルで生み出された物はそう言う風になるような仕様なんです」
「農業スキル…何でもありだな」
あらためて神のスキルのチートぶりに感心したような呆れたような…。
気を取り直して2階に上がる。2階には小部屋が4つあり、どの部屋の中も洋服タンスにベット机と椅子に本棚が完備していた。そのうえ、2階にもトイレがあった。
3階は客間らしく12畳もある畳の和室が2部屋あった。それにしても、掛け軸に花瓶に茶タンスって…渋すぎじゃないか?後で必要なものを栽培しよう。
追記として、窓を開けての景色は中々だった。
「一応、ひと通りのモノは揃っているみたいだね」
「後は足りない物を中心に栽培することですね」
「そうするよ。それにしても、俺たちだけで住むには広すぎるなぁ…」
「狭いよりは良いですよ。さあ、どんどん作っていきましょう」
とりあえず住む場所ができて陽と安心だが、普通に暮らすにはまだまだ足りない物だらけだ。