13話 魔法の可能性
風邪で執筆が遅くなりました。しかもこれから花粉症の季節で辛い時期が続く…。
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精進して執筆します。
獣人の子供たちと一緒に暮らし始めてから10日ほど経った。畑は思った以上に広がった。あと2・3日で全ての農地に作物が出来るだろう。あと実験の結果だが、半分収穫した野菜は次の日には普通に育っていた。しかも、残しておいた作物は倍の大きさに育っていたのだ。まさに、嬉しい誤算だ。その上、収穫して残った根っこからレタスやキャベツができていたことだ。これには俺も驚いたね。つまり、完全に収獲する作物以外はすべて新たに育つと言うことだ。そして、急激な成長は残った作物に影響を及ぼしてしまうのだ。
「…なあ、この世界に四季ってあるのか?」
「しき?ああ…季節のことですか?ありますよ。1年中暑いところもあれば1年中冬の場所もあります」
「この場所は?」
「ここは四季がちゃんとあるところですね」
「じゃあ、今の季節は…」
「今は秋ですね」
「秋か…じゃあ、あとどれくらいで冬になる?」
「そうですね…あと2ヶ月くらいでしょうか?」
「ん~…そもそも、この世界の1年って何日なんだ?ついでに1日は何時間なんだ?」
「まず1日は56刻です。1刻は30分になります」
「…ってことは1日は28時間ってことか」
「1ヶ月は40日で、1年は16ヶ月で4ヶ月ごとに四季が変わります」
「ってことは1年は640日もあるんだな」
つまり地球よりもこのアヴァロンの世界は大きいんだな。しかし…今が秋だと言うのはちょっと考えないといけないな…。
「つまり…あと80日の間にこの畑を雪から守る方法を見つけないと」
「そう言うことなら『魔法』か『スキル』でどうにかするのが手っ取り早いかと…」
「魔法かスキルか…その辺りが妥当か」
まあ、そうなるか…と納得したが、正直なところ魔法やスキルに関しては知識が無いので手探り状態でやるしかない。ま、ナビ子さんに聞けば簡単なのだがそれはそれで面白味が無い。
「魔法はレベルが上がると他の呪文を覚えるのか?」
それでも一応だが基本的なことは聞いておきたいのは仕方のないことだろう。
「魔法は使うことで熟練度が上がりそれがレベルアップにつながります。そうすることで新しい呪文を使えるようになるのです。また、属性魔法は初級・中級・上級・殲滅級・魔神級があります。ですが、スキルには通常レベルは存在しません。『そう言う能力』だと言うだけなのです」
「つまり、神が使うスキルだからレベルがあると?」
「と言うよりも、神の使うスキルを初めから全開で使うには問題があるからではないでしょうか?だから神様が人間に合わせて無理が無いようにしたのではないかと…」
「あー…うん。過保護な仕様だったわけね…」
神様はどうやらどこまでも甘々さんの様です。ありがたいですが…。
「魔法では『結界魔法』を使える様になれば機構に関係なく作物を守れますし、スキルでは農業系の中には『ハウス栽培』がありますしその他にも『守護壁』と言うのもありますね」
「方法は幾つかあるわけだな…。まずは魔法かな」
魔法の種とスキルの種は増えたときに植えるようにしてきたので、家の前に実っている状態だ。改めて調べると属性魔法に分類される魔法の種は中級までが作れるようになり、その他には『治癒魔法』に『結界魔法』と『神聖魔法』、後は『補助魔法』に『生活魔法』と『召喚魔法』までが作れるようになった。
こうなると色々と試したい。
「あの…ススム様」
「ヴェル?様は止めてくれ」
「では…ススムさん」
「それでいいよ。それでどうかした?」
「あの…アタシ、魔法を覚えたいのですが…」
「魔法をか?…そうだな。実験に協力してくれるならいいかな?」
「実験…ですか?」
「まあ、実験と言っても痛いとか負担とかが掛かるものじゃない。魔法の実を食べることで起こる影響が見たいんだ」
「そう言うことなら…」
丁度いいところにヴェルの申し出。こなると断然実験に対する意欲が生まれる。
「ライム。頼みがあるんだけど…」
「キュ?何っキュ」
「ちょっと試したいことがあるから手伝ってくれるか?」
「いいっキュ」
俺を含めて3人いればある程度のデータが取れるな。
「ヴェルに頼みたいのは取得したい属性魔法の連続取得だ」
「えっと…どういうことでしょうか?」
「つまり、同じ魔法を取得した時どういう影響が出るのか見たいんだ」
「そう言うことなら…」
「で、ライムには全部の魔法の実を食べてもらいたい。これは、ライム自身への影響を見るためだな」
「OKっキュ」
「俺は、いきなり中級の魔法の実を食べたらどうなるかを試すよ。まずは俺からだ」
そう言って俺は『土の魔法の実』を選んで食べた。
「甘っ!」
口に広がる甘みはまるで蜂蜜を口いっぱいに入れたような濃い甘味だった。
「…感じる。また『増えた』な」
俺は、また新たな力が増えたのを感じる。
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『ススム・アズミ』 23歳 セントヒューマン(聖人) 異世界からの訪問者 農業初心者
LV:3
HP:1333
MP:1305
EP:1203
ちから:802
たいりょく:889
すばやさ:710
ちのう:810
こううん:19000
肉体強化 極大幸運 超豊穣
農業スキル(LV:25) アイテムボックス・無限 水魔法(LV.5) 土魔法(LV.1) 中級土魔法(LV.1)
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ほう…。中級の実を食べると初級の土魔法も覚えるのか。しかも、心なしか『MP』と『ちのう』も上がっているような…。初級の土魔法を見てみると最初の魔法しか使えなかった。まあ、LV.1だし仕方ないだろう。
「つまり、強制的に中級魔法を覚えると基礎となる初級魔法も得ると言うことか」
「まあ…当たり前とは当たり前ですが…基本となる初級魔法を覚えることなく中級魔法は覚えると言うのは普通に考えてもおかしいですからね」
「言われてみればその通りだな。つまり、理に適ったことだったわけだな」
考えてみれば当たり前のことだ。基本の初級魔法を無視して中級魔法を覚えるなどできるわけがなかったのだ。
「こうなるとこの後の実験が楽しみだな。ヴェル…頼む」
「はい…」
「じゃあ、どの魔法が良い?」
「選べるのなら『風魔法』をお願いします」
「分かった。じゃあ、これを食べてくれ」
俺から『風魔法の実』を受け取りそれを齧るヴェル。
「…ふぅ。身体に何かが『増えた』ような…」
「それが実の能力を得た感覚だ。1回ステータスを確認するからな」
「はい」
俺はヴェルの確認を取り彼女のステータスを確認する。
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『ヴェル』 12歳 猫獣人 家族
LV:2
HP:72
MP:67
EP:69
ちから:51
たいりょく:66
すばやさ:75
ちのう:61
こううん:10
一般常識(獣人版) 獣人語 注視 風魔法(LV.1)
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うん。普通に覚えたな。それに…だ。やっぱり、『MP』と『ちのう』が上がっている。
つまり、魔法の実には単なる魔法を覚えると言うものではなく魔法に付随するものにも影響が与えられるということだ。となると、ある『答え』が導き出される。
「俺の考えが正しければこの実は単なる『魔法を覚える』という代物ではない。『魔法的能力を与える』と言うものだ。魔法の種類はあくまでも『オマケ』ってところだな」
「どういうことですか?」
「つまり、この魔法の実はそれ自体がとてつもない『魔法能力増強剤』と言うことさ。決められた特定の種類の魔法を覚えると言うのはあくまでも能力を得るための確定要素のため。魔法は多分、この世界では『適正』が無い者には使えないんじゃないか?」
「確かに、魔法は誰にでも使えるモノじゃありません。個人によってまず『魔法特性がある者』と『ない者』が存在し、使える者にも『得手不得手』があります」
「だけど、この実はそれらを無視して強制的に魔法を覚えさせてくれるってこと。と言うことは、それだけの力を持った実ってことなのさ」
「では…同じ実を食べると言うことは…?」
「俺の考えが正しければ魔法レベルが爆発的に上がる」
そして俺は風魔法の実をヴェルに渡した。
ヴェルは頷き、風の魔法の実を食べた。
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『ヴェル』 12歳 猫獣人 家族
LV:2
HP:72
MP:81
EP:69
ちから:51
たいりょく:66
すばやさ:75
ちのう:77
こううん:13
一般常識(獣人版) 獣人語 注視 風魔法(LV.7)
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「なるほど、1つの実でレベル7つ分の熟練度と同じだけの力が詰まっているってわけだ」
「ですが…『覚えた』のと『使える』と言うのは違いますから、ちゃんと練習はすべきでしょうね」
「ナビ子さんの言うとおりだな。後で魔法御訓練をしよう」
「はい。分かりました」
「じゃあ、どれだけ魔法を覚えたか見てみるか」
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―初級風魔法―
『涼風』…そよ風呪文。適度な風を生み出す。夏場には最適。
『風刃』…鎌鼬呪文。大木位なら余裕で切り裂くことが出来る。
『風撃弾』…激風玉呪文。吹き荒れる風を玉状にしたモノを飛ばして当てる。
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「3つの呪文が覚えられているな。魔法のレベルはどのくらい上がるんだ?」
「1つの魔法レベルは10までが限度になっています。そこから上の階級になるんです」
「じゃあ、呪文はどのくらい覚えるんだ?」
「3~5個が普通ですね」
「なるほどな。使用するMPが載ってないけどこれは?」
「魔力の量によって呪文は威力を変えられるんです。つまり魔法は単なる決められたものではなく、魔力の調節でいくらでも応用が効くんですよ」
「そうなると、魔力の調整がちゃんとできるように訓練すべきだな」
「それはすべきでしょう。魔法は持っているだけではダメです」
大事なことなので2回同じことを言うナビ子さん。
これは重要な要課題である。まあ、でもとりあえずは実験の締めくくりであるライムの方に集中しよう。
「さて、最後の実験といこうか」
ヴェルには呪文のことを理解してもらう傍ら、俺はライムに向き合うのだった。




