11話 家着は必須です。
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「おかえり。遊ぶのはもういいのか?」
「もう、2時間は遊びっぱなしでしたよ」
「え?もう、そんな時間か…」
時間が経つの早いな。ちょっとばかし集中しすぎたか。
「んじゃ、風呂でサッパリしたらおやつにするか」
「じゃあ、みんな、お風呂に行きますよ」
「お風呂、お風呂~」
「疲れたのです~」
「汗掻いたよ~」
「お風呂、入らせていただきます」
「ボクも行くっキュ」
「着替え置いておくからゆっくり入ってこいよ」
全員が風呂に入ったのを確認して着替えを置く。
後はおやつの用意だな。う~ん。種から作った物でプリンとクッキーがあったよな。
後はフレッシュジュースとしてグレープフルーツジュースを用意した。
「…あの、これでよろしいのでしょうか?」
「ん?おおっ、良いじゃん。似合ってるよ」
「確かに…妙に着心地が良いのですが」
「それは『家着』ってことだ。家の中で過ごす時はその服に着替えること」
「あの…それって、お昼の時も…ですか?」
「あー…うん。仕事が終わった後ってことにしよう」
「分かりました」
俺の拘りだが家着はリラックス効果があるというか安心感があるのだ。まあ、外で汚れた服のままと言うのは衛生的な意味で良くないからな。今までは洗濯機と乾燥機で毎日綺麗な物を着替えていたが人数も増えたので明日からは外に干すのが良いだろうと物干し台などを作ったのだ。
ジャージ姿のヴェルが納得したところで子供たちも風呂場から出てきた。
あれ?ライムまでジャージ姿だぞ?
「ススム~。ボクもこれ着て良い?っキュ」
「着たいんなら着ても良いぞ。悪いことじゃないからな」
選んでもらおうと思って数種類のジャージを出しておいたけど、余ったのから選んだようだ。まあ、悪いことじゃないし、どちらかと言えば連帯感ができて良いだろうから許可である。
「これ、あったか~い」
「硬くない。柔らかいよ~」
「尻尾穴無くて作るのが面倒~」
「ポカポカ~」
「これからは、帰ってきたらそれに着替えるようにな」
「は~い」
「分かった~」
なんだかんだ言って気に入ってもらえたようで良かったぜ。そんな中、ナビ子さんだけが仏頂面だ。
「皆さんは良いですね。私のサイズに合う服が無いです」
「確かにナビ子さんサイズの服は無いな…。作るか」
「え?ススム様、服を作れるんですか?」
「これでも裁縫は得意だぞ。旅に出て突発的に服が破れたときには修復できないと困るから覚えたんだよ」
何の備えもなく、自分の好奇心を満たすことは無謀だ。それなりの下準備、料理や裁縫、家事ごとや野宿などのキャンプの知識や実践は一通りできるようにするのは当然だと考えて覚えたのだ。
「まあそれでも、生地やデザインは手伝ってもらうぞ」
「了解です。喜んで手伝います」
大喜びのナビ子さん。俺がアイテムボックスから幾つかの布地を出すと真剣に見つめ始める。
「ぐ~…」
「お腹減った」
「テーブルに何かあるよ~」
「甘い匂いがする~」
「…先におやつにするか」
「そうですね」
子どもたちの目がテーブルにあるプリンやクッキーなどに釘付けだ。俺とナビ子さんはテーブルに着き、みんなを呼んだ。
「これからはこの位の時間にはおやつの時間にするから。おやつって言うのはちょっとしたものを食べるって感じかな?甘い物や果物とかが多いんだ。今日用意したのはプルプルしたのがプリンって食べ物。このスプーンで掬って食べるんだ。で、これはクッキーって言って素手で持って口に入れて食べるんだ。これはグレープフルーツジュース。果汁100%だからちょっと酸っぱく感じると思うけどサッパリしているから美味しいと思う。じゃあ、食べよう」
涎を垂らす面々に説明を切り上げる。
「「いただきます」」
「甘い!」
「このクッキーと言う食べ物甘くて美味しいです~」
「良い匂いもする~」
「こんなに甘いの初めて~」
まず、クッキーから食べ始める面々、まあ、確かに甘いが慣れているせいかこんなもんだよなくらいし思えない。だって、コレ安物のクッキーだしなぁ。クッキーにも色んな風味の物がありこれはオーソドックスなものなのでそれほど高級感もない。なので、クッキーとしては及第点と言った程度の味なのだ。行ってみれば100均のクッキーの様なものだ。これで、プリン食べたらどうなるんだ?
「甘い。甘すぎます。美味しすぎます」
「うわ~。甘々だ~」
「うめぇ。美味すぎ~」
「もう、終わっちゃったよ~」
「この黒っぽいのが苦甘くて…それが良いっキュ」
「これ、もっと食べたいです~」
「気に入ってもらえたのは嬉しいが、おやつはこれでお終いだ。毎日食べれるから我慢してくれ」
「はわ~。幸せの時間はいつでも短いですね」
「毎日が楽しみ~」
「おやつを食べたらお昼寝の時間だ。良く食べて、良く働き、良く遊び、良く寝るってのが健康的な暮らし方だからな。ただし、寝すぎちゃいけないから1時間で起きるのがベストだな」
とにかく、今の子供たちには普通の暮らしをさせるのが1番だ。それも、この世界のではなく俺の世界での…だが。こちらの世界の普通がどうだか知らないが、とても子供の教育に適しているように思えない、なら、俺が正しいと信じるやり方の方が良いのは当然なわけだからそうするだけ。
ライムに子供たちの面倒を頼み、俺はナビ子さんと服作りをする。
「面倒見が良いですね。どうしてそこまで?」
「まあ…俺も孤児だったからだな。別に同じ経験をしたからってことじゃない。俺はその後は育ての両親に愛されたしな。でもさ…『生みの親に捨てられた』と言うのはやっぱり辛いんだよ。だから、与えたいんだ。君たちは生きていていいよって。生きることは辛いこともあるけど楽しいこともあるって教えたい」
「それは、とてもいいことですね」
この先、あの子たちは自立することになる。その時、正しく生きてくれるように…。それは俺だからできることなのかもしれないから。
話の後は服作りだ。記事を選び、デザインを決めて、採寸して型を取り、型紙を布に合わせてハサミで切り取って後は縫うだけ。作るのはジャージの上下なのでそれほど難しくはない。しかもナビ子さんの背中の羽は身体と一体化しているのではないので、服は普通の作りでOKと言うこと。サイズの小ささもあってあっという間に縫い終わる。
「こんなもんかな。どう?」
「良いです。すぐ、着替えるです」
そう言うと、脱衣場に向かうナビ子さん。ナビ子さんが着替えている間に型紙で幾つかの布を切り取っていく。後はちゃっちゃと縫う。集中すればあっという間に縫い終えるとはいえ、細かい作業なのでそれなりに疲れる。ナビ子さんが戻ってきたら風呂に入るか。
「どうですか?似合ってますか?」
「うん。似合ってる。サイズもバッチリだ」
「このジャージと言う服。シンプルですが着心地は良いですね」
「そう言う風に作られた服だからな。じゃあ、俺は風呂に入るな」
「では、ワタシは作ってもらった服をしまってからみんなを起こしてきますね」
「頼むな」
来ていた服を洗濯機に入れて、柔軟剤と洗剤を入れてスイッチを入れる。そして俺は風呂に浸かりゆったりまったりタイム。とは言っても男の入浴など女の人にとっては烏の行水並み。俺も多聞に漏れず10分ほどで入浴を終えて身体を洗って流せば終わりである。風呂場から出るころには全員が起きてきたところだった。
「ふぅ…サッパリした」
やっぱ、風呂は良いな。日本人の悲しき習性ともいえるが温かいお湯に入るとリラックス効果は半端ない。風呂上がりのコーヒー牛乳を飲みながらソファに座る。夕飯つくりまでまだ時間がある。さて…どうするか?




