勇者は見る
怪獣大戦が幕を開けた。
クレスはスライムに気付き、地面を泳ぐような速さで機敏に動く。
それに対して、スライムは気づかない。
クレスがスライムに近づき、かんだ!!
ジュルルるるるるるる
おおっ!すごいバキューム力だ!これには特定企業も真っ青だ。
やっとスライムが気づいたようだ。
どうやらスライムたちは合体していたみたいだな。この反応的に。
ジュルルるるるるるる
クレスはまだ吸う。蠱毒の儀式は腹が減ってしまうのだろう。
ジュルルるるるるるる....
吸い込みが終わった。どうやら満腹らしい。クレスの顔がほっこりしている。その顔に俺もほっこりだよ。
クレスは俺の方に帰ってきて、肩に乗った。お前は俺のパートナーだぜ!
ちなみにスライムは元の数くらいになって分裂している。推定100匹。
これは放置案件ですね。わかります。
俺はクレスとともに空いている。二階層に転移する。
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俺の今のステータスはこうだ。
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名前:無し
性別:男
属性:迷宮
レベル5
MP∞
スキル
パッシブ
部分的魔王特性
アクション
転移
魔法一覧:
ダンジョン魔法
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何故か魔法が一つだけになった。システムもめんどうになったのだろう。
ちなみにこの世界では属性に応じた魔法が使える。
だが俺は最初に制限されていた。それが今解放されたわけだ。
つまりこれがふつうだ。
そして俺は魔王の特性もあるらしい。
俺は産まれてまだ、飯を食っていない。それも魔王の特性だろう。
俺はこの世界の常識を知っている。礼儀とかマナーとか言語とか。でも勇者魔王の情報が少なすぎるのだ。
だから俺も可能性の話しかできない。
ごほん、とにかく今は二階層だ。
二階層はクレスのみしかいなかった。
なのでもう一度毒虫を出す。
今度は1000匹。
あとは放置で。
今の階層はこうだ。
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一階層スライム100
二階層毒虫1000
三階層迷路
マスタールーム
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そうマスタールームは俺の部屋だ。
もしも冒険者が三階層をクリアしたら、くつろいでいる俺と玄関から「こんにちは」しなければならない。
それは嫌だ。おれのパーソナルスペースに入ってくるんじゃない!
俺は急ぎ、四階層を作る。