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勇者は錬金術師
俺とフォルはマスタールームにいる。
俺は明日までにお金を集めなければならない。
今手元に金はない。
しかし金のあてはある。
俺はダンジョンの勇者だ。
俺にはダンジョン魔法とアイテム作成がある。
どこまで作れるかわからない。
だが他のダンジョンが宝石を作れるんだ。
俺にもできるはず!
「ダンジョン魔法!アイテム作成!」
俺が思い描くのは、俺たちがダンジョンで手に入れたルビーの巨大な結晶!
刹那の瞬間、俺の体の奥から何かが出てくる感覚がした。
目を開ける。
前に出した両手の先にフォルほどの大きさがある、ルビーがあった。
フォルの大きさは俺の腰ぐらいだからまあまあでかい。
「よし!できた!」
俺はそのルビーを冒険者ギルド買い取り場まで持って行く。
「おおっ!兄ちゃんこりゃすげえな!兄ちゃんは運がいい!こんな大きさは滅多に出ねえんだ!」
買い取り場の男性が言ってくる。
俺はその後も何回か、アイテム作成と買い取りを繰り返した。