勇者は子ども好き
大人の女性、彼女はこの孤児院の院長さんらしい。
院長が言うには、この孤児院は寄付金で成り立っていて、最近は寄付をしてくれる人が少なくなってきたようだ。
それで借金をしてしまったらしい。
幸いにも小金しか借りてないと言っている。
さっきは俺を、借金を取り立てに来た人だと思ってしまったらしい。
心外である。
俺はこの前手に入れた。ルビーとサファイアを差し出す。
「院長さん、これを売ってお金にして、孤児院を維持出来ないかな?」
「ええっ!そんなお金...いいんでしょうか…?」
「俺がいいって言ってるんだからいいんだよ。寄付金と思って。そしてそのお金で借金も返してくれよ。」
「あ、ありがとうございます!このご恩は忘れません!」
院長さんは俺に感謝をしてくれた。
「すみません、お名前は....?」
俺にはまだ無い。
「俺は名無しなんだ。だから適当に呼んでよ。」
「それでは、勇者様とお呼びいたします。」
「ああ。」
結局勇者か。
別にいいんだけどね。
「じゃあ元気でなー!」
「はい、ありがとうございました!お達者で!」
「お兄ちゃん!バイバイ!」
孤児と院長に別れを言い、俺たちは孤児院をさってダンジョンに帰る。
なんだかいいことをした後は気持ちがいい。
それか、ただ俺が子どもが好きなだけかもしれないが...
たまには、この孤児院に来ようと思った。