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世界が偽りであるならば。  作者: あっきー
プロローグ
2/21

プロローグ2。

昨日の曇天が嘘のように快晴である。雲ひとつすらもない、ただ青いだけの空虚な空。



いつものように一人で昼飯を食べる少年。席位置の関係で右にも後ろにも女子の集団がいて息苦しくてたまらない様子。唯一前には男子がいるが、普段から無口な子である。そのせいで、いつも窓から空を眺めながらの昼飯のようだ。





――昔はこんな風じゃなかったのにな。







1年前、彼はは人生のどん底にいた。


原因は前に彼が所属していた集団内の人間関係だ。どれだけ頑張っても認めてもらえない。むしろ状況悪化すらする。そんな中で彼は壊れていった。しまいにはいろんな悪い所が目について仕方なくなり、その集団を抜けた。


そんな経験から彼はこう悟った。




人間なんて信じるだけ無駄。


人間は所詮自分のこと、よくて自分のグループの利益しか考えていない生き物だ。集団のためと言いながら、実は自分に不利益がないように集団を利用しているにすぎない、と。





彼は頭を押さえた。片頭痛のようだ。その時のことを思い出すと時々後遺症のように身体的な症状が出ていたのだ。彼にとってそれほどまでに大きい人生の分かれ目だったといえるだろう。






わずかの楽しみであるライトノベルを片手に、昼食を口に運ぶ、それが彼の昼休みの過ごし方。


だが今日は、昔のことを思い出したせいか、ライトノベルのページはあまり進んでいない。



――この世界が偽物だったら……



昨日、やっぱりわからない、とした結論を、彼の思考回路は覆そうと回転し出す。






その時、世界が揺らいだ。ほんのわずかな時間だった。




とつぜんのことに驚きを隠せない。


しかし、慌てて周りを見渡すと、そこにはいつも通りの景色がひろがっているだけだった。


そんなわけないか、と彼は思い、少し行動を振り返った。


夜更かしに、最近よく深く思考していたこと。


原因を思い立ち、少しそれらをやめようと思いつつ、


考えないように、ラノベの文字に目を走らせ始めた。




世界が変わる時はもうすくそこまで迫っていることを知らずに。

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