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世界が偽りであるならば。  作者: あっきー
プロローグ
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プロローグ1。

はるか昔から、人間の手によって、様々なことが証明されてきた。


物理の理論。初見じゃわけのわからない歴史書の記述。生体の複製すら作り出すような技術。


たくさんの人間が、たくさんの発見をし、たくさんの技術を確立し。


そんな時代の中で、思う。





この程度か、と。







たしかにさまざまなことが解き明かされてきた。


だが、その膨大な理解や記述を基にしてこの簡単な問いに答えられるだろうか。








この世界はたった5分前に誕生したことは本当か。







そんなのウソに決まってる?






果たして本当にそうだろうか。


こんな過程をしてみよう。





もし記憶を含めたこの世界の全てがこの状態になるように作られたのだとしたら。







誕生したまさにその瞬間から、その誕生の事実を知らずに、今までさもこうしてきたかのように生きていくのではないか? 






もちろん、あくまで可能性の話。


ただ、この可能性が出た時点で、ひとつの皮肉な証明ができた。





それは、人間のあらゆる知識をもってしても、この問いに完全なる答えを導き出すことができない、ということ。








そう、簡単な問いにもこたえることができない。


まさに、『この程度』なのだ。







では、この問いの可能性がゼロじゃないとわかったところで、


あえてもう一つ、問いを考えてみることにしよう。








この世界はすべて偽物ではないか。







――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――






彼は窓から曇天の空を見上げながら考えていた。


本来なら黒板の内容が板書されているはずのノートには、問いについてのさまざまな可能性の項目はびっしり埋まっていて、でもただ一つ、結論だけはかかれていなかった。




しばらくして、6時間目のチャイムが鳴る。すぐに掃除に行かなくてはならない彼は、机の上を片付ける前に走り書きで、こう書いた。





結論:やっぱりわからない



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