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(旧) 魔宝使いの セ・ン・パ・イ  作者: しゅんかしゅうとう
第1章:国立魔宝大学付属第一高等学校入学編
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■行け行け精髪姫! Episode 002

■あらすじ

ボクの名前は東郷 聖音セイネ

虚弱体質で女顔なのがコンプレックスだけど、かなりの魔宝の使い手と自負していた。

3年前、双子の兄、神音カノンと巨大魔宝実験をしたのだけれど魔宝の収束に失敗して、認識不能な変質魔宝に巻き込まれちゃった。


その結果、兄カノンは異世界に跳ばされたらしく行方不明、ボクの身体は何故か女性化したうえ、魔宝力の多くを失ってしまっていた。

ボク等兄弟の婚約者だった桐生院美夜・月子姉妹の魔宝の成長も止まってしまい、皆、進むべき先を見失い苦しんでいた。


そんな時、国立魔宝大学工学部の客員教授である祖父、東郷 神聖じんせいが、自身の研究テーマを基に提案をしてきた。

消えてしまったカノンにもう一度逢えるかもしれない、そう言う提案を...

「いつからそんな軟弱になったのよ、セイネ君」


「だ、だって、1人は前髪パッツンのおかっぱが似合うって言うし、1人は前髪少し流したショートボブが好みって言うし」


「で、どちらにせよ、せっかくこの1年髪を伸ばしてきたと言うのに、又、肩より短くしてしまうのね」


「だ、だってさ、ショートの方が似合うって2人とも言ってくれたし...」


「はぁ、恋の精霊様相手には何を言っても敵わないってワケね」


「...月子は意地悪だね」


毛先をそろえるだけ、と、言って月子に付いてきてもらったカットハウスで、ボクは髪を短く切りそろえる事にした。

だって、その方が似合うって言ってくれる人が居るのだから、仕方ないよね。

それにさ、ボクだって知ってるんだよ。昔、カノンが月子の髪型を可愛いと言ったことがあって、それ以来、ずっと月子がショートカットを続けてきた事を。

勿論、今ようやく月子が髪を伸ばし始めたのだから、そんな事は2度と言わないけどさ。


「ちょっと男の子に言われた位で髪形変えちゃうなんて、自主性と言う物が出来てないわね」

月子ぉ、ブーメランで自分に返って行く様な非難をしないで欲しいなぁ。


それにね、本当の理由はね、カノンと別れる事になってしまった3年前のあの事故の時と同じ髪型にしたかったからなんだ。

今のボクにはボーイッシュ過ぎるかもしれないけれど、でもカノンと逢えるかもしれない実験をするんだよ、延びてしまった背や、膨らんでしまった胸は戻せないけれど、髪型位は昔に巻き戻したかったんだよ。


「セイネ君がショートにするとね、カノン君を思い出してしまうのよ」

あぁ、そうか。月子には少し辛い髪型になってしまうのかもしれないね。

でも、ちょっとだけだからボクのわがままを許して欲しい。


カットハウスを出たボクは、ショートボブと言うよりも、髪を伸ばし始めたばかりの少年の様な髪形になっていた。

ボクの顔つきも体つきも、髪を短くした位では少年に見える様にはならないのは自覚している。

でも少しだけ、心は3年前の少年に戻っていくのを感じていた。


カノン、もう直ぐ逢えるかも知れないね。

この3年で、ボクは結構変わってしまったよ。

カノンはどうなのかな?

浮気して、月子以外の女の子と付き合ったりしているのかな?


逢いたいよ、カノン。


 ===


その運命の夜、ボクは3年前と同じ装備を身に付けていた。

少しだけ違うのは、魔宝石が「レジェンドクラス」から「準レジェンドクラス」になった事と、魔宝の衣がボクの身長に合わせて大きくなった事位だね。

美夜と月子も、それぞれ桜色の『魔宝師のローブ』に桜色のとんがり帽子、その下は見えないけれどきっと魔宝衣を纏っている事だろう。


おじい様が説明をして下さった。

「3年前のカノン君とセイネ君は、2人とも時間を司る聖魔宝と、空間を司る闇魔宝を使えていた。つまり、時間×2人、空間×2人だ。」


ボクと、美夜、月子が黙ってそれを聞く。

おじい様が話を続ける。

「今は、セイネ君が聖魔宝、美夜君と月子君が闇魔宝を使える。つまり時間×1人、空間×2人、3年前に比べて時間を制御する人数が1人少ない」


ボクが質問する。

「するとどうなるのですか?」


おじい様がお答えになる。

「カノン君が跳ばされた空間軸はトレースできるだろう。でも時間軸はトレースできないかもしれない」


「と、言いますと?」


「カノン君の居る異世界には行けるだろう。でもその世界は、カノン君の居る時間軸から見て、過去や未来になっているかもしれない。カノン君に逢えたとしても、今の16才のカノン君では無いかもしれない、そう言う事だね」


「...はい」


「おじい様のお力を貸しては頂けないのですか?、おじい様は聖と闇、両属性をお持ちのはずですが?」

美夜が尋ねる。


「あぁ、それはダメだね。私がこちらの世界に残っていないと、何か有った時に君達を元の世界に戻せないじゃないか」

おじい様がお答えになる。

考えてみれば当然か。

ボク等3人のバックアップを1人で務められる魔宝使いなんて、おじい様位しかこの世界には存在しないからね。


「最初は扉を開いて覗くだけだからね。まだ、扉の向こうに行ってはいけないよ」


おじい様はそう仰って、実験パネルのスイッチを入れた。


「では、初めて下さい」


ボクと美夜と月子は3人でしっかりと抱き合う。

3人の体の間に、これっぽっちも隙間ができなよう、きつく抱きしめあう。

3人で一緒にお風呂に入っている時よりも、もっと美夜と月子の肌を近くに感じる。

ボク等3人が溶けて1つになっていく感触がある。


・・・これがおじい様の研究のひとつ、”融合”なのか。

昔、ボクとカノンが試行錯誤の上で見つけた心と魔宝を重ね合わせるやり方よりも、ずっと洗練されている感じを受ける。


今、ボクと美夜と月子は溶け合って1つになっている。

ボク等の心は1つになっている。

ボク等の魔宝は1つになっている。

だから、きっと魔宝を重ねあえるはずだ。


「闇の精霊よ、我に力を貸し与えよ」

美夜が呪文を詠唱する。呪文の詠唱で、美夜の右手に闇の魔方陣が展開する。

「闇の精霊よ、我に力を貸し与えよ」

月子の連唱で魔方陣が展開、魔宝力が確かに2乗になったことを、ボクも美夜も月子も皮膚の感覚から知る。


「火の精霊よ、我に力を貸し与えよ」と、美夜が詠唱を重ねる。

「火の精霊よ、我に力を貸し与えよ」と、月子が連唱する。

「火の精霊よ、我に力を貸し与えよ」と、ボクも連唱して魔宝を積み上げる。


「水の精霊よ、我に力を貸し与えよ」

「水の精霊よ、我に力を貸し与えよ」

「水の精霊よ、我に力を貸し与えよ」


「生の精霊よ、我に力を貸し与えよ」

「生の精霊よ、我に力を貸し与えよ」

「生の精霊よ、我に力を貸し与えよ」


「風の精霊よ、我に力を貸し与えよ」

「風の精霊よ、我に力を貸し与えよ」

「風の精霊よ、我に力を貸し与えよ」


「土の精霊よ、我に力を貸し与えよ」

「土の精霊よ、我に力を貸し与えよ」

「土の精霊よ、我に力を貸し与えよ」


最後にボクが聖魔宝を重ね上げる。

「聖の精霊よ、我に力を貸し与えよ」


3年前と全く同じ、巨大な力、ボク等では制御しきれない力を感じる。

おじい様がカーソルを叩いた。


その全ての力は収束し、実験室にある1つの扉に集約されていった。

そして、その扉が開かれる。

■「行け行け精髪姫!」について。


カノンの話「逃亡奴隷少女、拾いました…」と

セイネの話「魔宝使いの セ・ン・パ・イ」で、

全く同じ内容を載せています。

両方を見る必要は有りません。


「逃亡奴隷少女、拾いました…」の17話「絆」と、

「魔宝使いの セ・ン・パ・イ」の12話「絆」は、

サブタイトルが同じだけの別の話です。

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