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(旧) 魔宝使いの セ・ン・パ・イ  作者: しゅんかしゅうとう
第1章:国立魔宝大学付属第一高等学校入学編
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第18話:生徒会長室

一高(魔宝大学付属第一高等学校)の授業スケジュールはハードである。午前中3時限、午後3時限の1日6時限制であるが、1時限が70分ある。

一般の高校は50分授業で1単位が標準であるが、全国に9校だけある魔大付属校は70分授業で2単位である。つまり、70分授業で50分授業×2を叩き込むことになる。

よって一高の1日6時限制授業は、一般高校の12時限分の授業に相当する。


これだけ詰め込むには訳がある。魔大付属から一般高校へ転入する際、魔宝科目の単位は一切他の科目の単位へ振り替えが効かない。

例えば魔宝工学Iの単位を取っていても物理Iの単位に振り替えが効かない。

魔大付属高で2年3年に進級できず他の高校へ編入する際、取得単位不足で当該学年に編入できなくなるのを防ぐため、一般教養科目の単位も普通化高校に相当するだけ取る必要があるのだ。


又、別の側面もある。

我が国唯一の魔宝大学である国立魔宝大学校出身者は、多くが第1種国家魔宝試験(国Iとか1級魔宝師とか呼ばれる)に合格し、エリートコースを進む事になる。

そして、魔宝大学の入学者のほとんどが付属高出身である。国が目を光らせ、才能ある子供は中・高のうちから付属高で学ばせるため、普通高校からの一般受験での合格者はほとんど出ない。

付属高生は、順調に育てば国の運営に携わる立場に着くことになる。国際社会の中、そのような人間には最低限の一般教養が必要とされてくるのである。


 ===


朝。ボクが教室に入ると、机の位置が微妙に違っていた。

昨日のガイダンスの時は、横2列×縦4列=8人のグループ4つに分かれていた机の配置が、今朝はその8人のグループで、前方4人、後方4人の2チームに分かれているのだ。

授業が始まる前から、皆、チームの”コミュニケーションを取って”いる。


今日はまだ2日目、授業は午前中の一般教養3時限で終わり、魔宝の授業は明日からだと言うのに、昨日のガイダンスで渇を入れられ皆逸っている。

ボクは自分の席に目をやる。チームメイトはもう全員来ている。

ロッカーにローブと帽子をしまう。シュンもニーノもウランも、当然ボクに気がついているけど、どう声を掛ければいいのか迷っているみたいだ。


ボクがまず、やるべき事をやらないと。


「おはよう。あの、昨日は取り乱した所を見せちいました、それとお昼ご飯無駄にさせちゃって、ゴメンナサイ」


最初に反応してくれたのは隣の席のウランだった

「おはようセイネ、気にしてないわ」


「おはよう、あの、あの」

と妙に口ごもるニーノ。1日しか彼女の事知らないけど、らしくないな、と思う。


「セイネ、おはよう。昨日の事は、こんなオープンな場所ではもうしなくていいよ」


あぁ、シュンはやはり気配りが上手だな。教室では昨日の件は話さなくていいんだね。

そして、当然だけど”オープンでない場”を設けて、説明は欲しいんだよね。


「ありがとう、シュン。それに、ニーノ、ウランも。シュンの言うとおり、昨日の説明はきちんとするので少し場所を選ばせて」


そうこうしている内に予鈴がなった。教室の空気が引き締まる。


うーん、詰め込みの70分授業はかなりきついな。一般教養も充分予習してこないと授業に付いていけない感じがする。

皆『Fプレーン』への入力はiコンタクトと咽音声認識を使ってるみたいだ。ボクみたいにフィンガーパッドでセコセコやってるのは居ないみたい。少々あせる。

あせりまくって、午前中の一般教養3コマが終了した。

明日からは昼食の後、魔宝の授業もいよいよはじまる。正直、このスケジュールでは頭はともかく体が付いていけるか凄く不安だ。


昼食は、今日こそ高等部専用、憧れの1食(第1学生食堂)だ。

メニューは麺類を除けは6セットだけだが。

A セット:和食

B セット:洋食肉

C セット:洋食魚

S1セット:低カロリー食

S2セット:減塩食

S3セット:低カロリー、低ナトリウム、低カリウム食


ボクはとりあえず低カロリー食を選んで、ガラガラのAグループ専用席で食事する。

作った後保温した暖かさはやはり味は少し落ちるけど、値段を考えれば充分合格だ。

ボクはがんばって、低カロリー食を半分以上食べた。


ニーノが多分何も考えずに

「セイネ、もっと食べたほうがいいんじゃないの?なの?」


と言ってきたので、少しだけ、説明することにする。


「ニーノ、ボクは気を悪くしてこんな事言うんじゃないことを最初に理解してね。さっきの貴方の言葉、例えば手術で胃を切除して食べたくても食べられない人に言ったらどう受け止められると思う?


「・・!」


「ボクの代謝量を測ったら、多分みんなの半分以下だよ。小学生6年の半分位かな。今、一生懸命口径摂取カロリーを増やそうとしてヨーグルトにオイル掛けたりパンにオイル掛けたりしてがんばってます」


「・・・」


「ボクは怒ってないけど、同じ事言われて怒る人も居る可能性は留意するべきだと思います」


「うん、忠告ありがとう。ごめんね」


「いいよ、怒ってないもん、本当に」


そんな時、ボクのIDカードが鳴った。IDカードを見る。予定通り美夜からの呼び出しメールだ。

高等部の生徒会長室を13:00から抑えたとの連絡である。


みんなに向かって言う。

「従姉妹が個室を抑えてくれたんで、今日の13:00から体が空いていたら昨日の説明をさせてもらいたいんだけど」


「個室って、また2食?」

とニーノ


「ううん、別の場所、生徒会長室」


「ええー?。何で生徒会長が出てくるの??」

ウランがビビってる


「あ、うん、詳しくは個室に入ってから話すけど、この件、中等部生徒会長、高等部生徒会長が絡んでいるんだ」


「テンサウザン・1とテンサウザン・2が絡んでるのか・・・結構大事(おおごと)な話?」

シュンは意外と冷静か。さすが


「うん、まじ大事おおごとなんだけど、ところでテンサウザンって何?」


シュンが説明してくれる。

「教育用セカンドクラス特有の表現なんだけどね、魔宝能力値祖点に増幅石の効果を加算したMSP値は、教育用だと精々1千オーバー位なんだよ。めったに2千とかいかない」


「うん」


「だから、1千オーバーをオーバーサウザン、900以上を1千に近いって意味でニアサウザンって呼んで敬意をしめすんだ。今年の1年総代が768だから、俺はまずはそれが目標かな」


「うん」


「そんな中、中・高等部生徒会長の2名はセカンドクラスの石で10千を叩き出すんだ。学年トップが1千行くか行かないかで争っているとき、あの2人は1桁違う世界の数字を出している。だから桁違いの畏敬の念をこめてテンサウザンって皆読んでいるんだ」


「ふーん、でもあの2人能力又伸びてたから、もしかしたら100千、ダブルオーに届いているかもしれないよ?」


「いや、いくら何でもセカンドクラスでそれは無いよ」

シュンが否定した。


魔宝事故を起こす前、ボクとカノンはセカンドクラスでMax250千出してたから、今の美夜と月子なら100千位届いているんじゃないかなぁ。

ま、いいや。今日の話は能力値の事ではなくショーゴ君の魔宝の波動と、その波動の本来の持ち主とボク達3人姉妹(笑)の関係の説明だからね。


皆の食事も終わり、お茶も飲み終えた。そろそろ行こうか。

「では、生徒会長室へ行きましょう。多分、中・高等部生徒会長の2名が待っていてくれると思います」


ルートは美夜に聞いてるしFプレーンにもDLしてある。

チームメイトを前にして、ボクは初めて先頭に立って歩き始めた。

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カノンの話はこちら
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