表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
(旧) 魔宝使いの セ・ン・パ・イ  作者: しゅんかしゅうとう
第1章:国立魔宝大学付属第一高等学校入学編
16/28

第16話:ガールズトーク -私達の旦那様候補ー(後)

「分かりました」

ボクは言った。


「納得は出来ないけど状況は理解しました」

言葉通りだ。

ボクが魔大付属の才能有る誰かにお嫁さんとして貰って頂く、ここまでは受け入れられる。

でも、子作り要員の予備として美夜や月子も一緒に、と言うのは彼女らの人生を軽んじていないか?


ボクは聞かずにはいられない。

「美夜、月子。2人は今の話、納得しているの?」


美夜はあっさりと答えた。

「私は納得しています。むしろ、それを望んでいます。今更言っても詮無き事ですが、私はやはりセイネ様をお慕い申し上げております。セイネ様と結ばれる事は出来ませんが、セイネ様の選ばれる未来の旦那様を通して、セイネ様と繋がっている事ができますから」


「美夜、以前、ボクも美夜も前に進みたいから『誠実の刻印』を解放する、って言ってなかったっけ?」


「その通りです。私はセイネ様と子を成す事を望んでいましたが、その道は途絶えました。ならば前に進むしかありません。今度は私とセイネ様の2人が子を成す事ができる道を進むべきだと思っています」


やばい。予想とは90度位違った方向から来る美夜の返答に、開いた口がさらに大きく開かされる。


「月子~」

思わず月子に助けを求める。


「セイネ君は覚悟が足りないよ」

うわぁっ、バッサリだ!


「考えてみて。レジェンドクラスをもつヤンチャな男の子2人が起こした事件で、1人は行方不明、1人は女性化」


「う、うん」


「で、今は準レジェンドクラスを持つ若い女の子が3人。もしこの3人がヤンチャしたら、もしかしたら1人が帰ってきて、1人が男性化するかもしれない」


「そんな事あるのかな?」


「可能性の話よ。国防の為と言われてセイネ君が男性と結婚した後、男性に戻ったらどうする?」


「・・・考えたくも無い」


「美夜姉様は覚悟を決めてるわ。セイネ君が男性化したらセイネ君と結婚するって。だから、セイネ君の旦那様の側室になりたいのよ」


思った以上の美夜の深い気持ちを聞かされ、少々ざわめく。

国防の為とかで自分の人生捧げるわけではなく、ボクを思う気持ちからこの計画を受け入れてくれているんだ。


ふと、気になって聞く。

「月子はどうなの?」


「私は・・・正直言うと複雑。加藤君の事とか、どう自分の中で整理すればいいのかわからないわ・・・」


「ショーゴ君のあれ、カノンだよね」


「私もそう感じる。セイネ君と加藤君を逢わせるなら、絶対に、何の先入観も無い状態でしようと思ってたの。美夜姉様を今まで逢わせなかったのもその為よ。その上で、私だけでなくセイネ君もそう感じるのならカノン君の魔宝の波動で間違いないと思うわ」


「何故そんな事がおきるんだろう?」


「知らないわ。ただ、私は加藤君の中のカノン君に強く惹かれてる。セイネ君が加藤君を選んでくれるのなら、側室に入るのもやぶさかでないわ」


「ショウゴ君以外だったら?」


「側室には美夜姉様だけが御腰入りして、私は加藤君と・・・って未来を想像しなくもないわね」


「ダメなの、それ?」


「・・・答えられないわ」


月子らしくない、ハギレの悪い答えだ。

ついでに気になっていた事を聞く。

「それとか、美夜や月子が養女に来て東郷の姓を継げば、普通の結婚でも問題ない気がするんだけど」


「だめね、敵国に付け入れられるわ」

「ダメです。世論が納得しません」


即座に2人が否定した。多分、その考えは2人にとって散々検討しつくされた後なのだろう。


「父、桐生院 正誤せいごは東郷 神聖じんせいのスポークスマンとして軍務よりも政治手腕で出世し、英雄の娘を嫁に貰ったと、敵国もわが国民も考えています。東郷の名を継ぐに、『腰巾着』の血筋を引く者を世論は認めない可能性が高いです」

「おじい様がその魔宝の才能に引かれて隠し子まで作らせた天才魔女(仮)との間の孫、と言う設定になっているセイネ君の方が、敵国に対する牽制力も世論に訴える訴求力も大きいのは間違いないわ」


知らないウチに天才魔女(仮)の孫にされてる。『英雄』の孫だけで充分だよ。

「うわぁ、で、その天才魔女(仮)さんは今どうしてるの?」


「陽子おばあ様と一緒です。精霊様の元へ戻られた事になっています」


「ちなみに、どんな天才魔女(仮)だったの?」


「陽子おばあ様は世界で唯一、聖魔宝のみ使われたお方ですが、それに対抗できるよう、天才魔女(仮)さんは世界で唯一、闇魔宝のみ使えた天才という設定になっています」


「天才魔女(仮)さんの家族構成は?」


「天才魔女(仮)さんとおじい様の間に隠し子の娘が1人。その娘は事故死したおじい様の元部下と内縁関係にあって、娘さんが1人生まれました。それがセイネさんですね」


「あれぇ、ボクの父は事故死してたのか。なら母は?」


「先日病気でお亡くなりになりました。だからセイネさんがおじい様に引き取られ、東郷の名を継ぐことになったのです」


「戸籍とかも改ざん済みなわけ?」


「はい。セイネさんのお母様とおばあ様のお墓も、ちゃんと英雄の森公園墓地にありますよ」


「ディティールが凝ってるね」


「国民だけでなく、敵国も欺く計画ですからね」


あの日、月子に連れられ髪を切りに行ったあの日、天井知らずのビッグウエーブに乗せられたと思ってたけど、これ程の高波とは思わなかった。


「これ、おじい様も勿論ご存知なんだよね?」


「日本に3人しかいないレジェンドが、3人そろって同じ教育施設に揃っている事から”国の本気度”を察してください」


あぁ、おじい様は退役、タカマチ学長もフェイトソン学長も管理局を退官して軍属を離れている。

軍関係者は原則、政治と教育のポストには就けないからだ。

国防の要である3人が、見かけ上は軍を離れる形を取ってまで、この計画を進めているのか。


「国は本気なんだね」


美夜が答える。

「はい。国防費300兆円が掛かってますから、次次世代レジェンドプロジェクトに対する”政府首脳”と”軍部首脳”の意気込みは相当です」


月子が人事の様に言う。

「戦争と言う実戦を経ずにレジェンド級魔宝師を育成しようってのが出発点ね。だから教育機関にレジェンド3人が集合したの。中・高・大と、全部の世代をカバーできるように」

「その計画の中で一番期待を持たれているのが”セイネ君御輿入れプロジェクト”みたいね。後宮も造ってハーレム要員も用意して、後はハーレムの主をセイネ君が選ぶだけ」


「・・・ボクは、今、ようやく体だけでなく心も女の子になりたいと言う気になり始めたんだ。だから、出来る事なら、そんな計画とは関係無しに大切だと思う人に大切だと思ってもらいたい、ダメなのかな」


「相手の男の子に充分な魔宝の才能があるのなら、セイネ様の思いを遂げればよいのです。でも、その方が側室をめとるのは目を瞑って諦めて下さい」

美夜はもう、側室になる気マンマンなんだな。


月子はやはりショーゴ君の事が懸案になっている。別の手段を模索している。

当然だと思う。

「ね、セイネ君、美夜姉様。”セイネ君御輿入れプロジェクト”以外にも方法は有るわよね」


美夜が答える。

「分かっています。3人のレジェンドを引き継げる現世代のレジェンドが3人ほど現れれば、次次世代を急ぐ必要は無くなります」


あの、3人って、もしかしたらこの3人の事なのでしょうか?


「ま、それは置いておくとして・・・」

月子の口調が明るく変わった。

「ね、セイネ君。明日学校に行って、クラスの友達に加藤君との手合わせの件、どう説明するつもり?、口裏合わせておかないとまずいでしょう?」


あぁ、そうだ。シュンの事忘れてた。あ、シュンだけでなくニーノとウランにも説明と、あと昼食ダメにしたお詫びをしないと。


 ===


翌朝のスクリーンのニュースでは、超新星に続く天体ショーの話題で盛り上がっていた。

シューティングシスターズと名づけられた二つの流星は、仲の良い姉妹の様に寄り添い並んで大気圏に突入し、その後まるで魔宝でも掛けられたかのように降下進路を変えて、シベリアとアラスカの無人の荒野に10Km程のクレーターを作ったらしい。


聖魔宝が目覚め始めていたボクは、美夜と月子の『魂の称号』の変化に気がついていたけど黙っていることにした。

自分の称号も見てしまったから、何もいえなかったんだ。


===:魂の称号

セイネ:星崩し

美夜 :流星喰い

月子 :流星喰い


『魂の称号』とは

精霊の力を借り魔宝を使うと、魂にその記録が刻まれる。その中で1番影響力を持った記録が1番上に表れ、ソレを魂の称号と呼ぶ。聖・闇属性の魔宝で確認出来る。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

---------------------------------------------------
小説家になろう 勝手にランキング(投票)

よろしければ何か一言(登録不要)とか、投票とか、お気に入り登録とか、
評価とか、書いた物に対して「誰かが読んだ反応」を頂けると尻尾を振って喜びます。
「読んでくれている人が居る」と実感できる事が、本当に励みになります。


カノンの話はこちら
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ