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(旧) 魔宝使いの セ・ン・パ・イ  作者: しゅんかしゅうとう
第1章:国立魔宝大学付属第一高等学校入学編
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第13話:香味野菜

「ずっと一緒に居てくれてありがとう」

ようやく泣き止んだボクは、黙って側に居てくれた加藤ショーゴ君にお礼を言った。


「ううん、今日は月子と2人で帰らせて」

家まで送るというショーゴ君の申し出をお断りする。


「ごめんなさい、ボクにはまだ、ショーゴ君がまぶし過ぎるの・・・」

そんな理由で納得してくれたのか、ショーゴ君は帰宅の付き添いをあきらめてくれた。


「ショーゴ君、又会ってくれますか?」

喜んで。柔らかな栗毛の少年は、そう微笑んでくれた。


 ===


月子と帰る道すがら、尋ねずにはいられなかった事を聞く。

「月子はショーゴ君と一緒でよく平気なんだね」


すると月子は怒った様に答えた。

「平気なわけ無いじゃないの。中2の2月に加藤君と手合わせして以来この2ヶ月、全然平気じゃないわよ」


「2ヶ月かぁ、月子は1人で頑張ってきたのか、凄いね」


「ううん、おじい様にセイネ君を一高へって頼んだの、実は私なのよ。どうしてもセイネ君に加藤君を逢わせたくて。1人で抱えるのはムリだったから・・・」


「入学前に言っていた”色々お願いします”って、ショーゴ君の事だったんだね」


「・・・うん・・」


少し考え込んで、それから月子は夕食の話題を切り出した。

「ねぇ。今夜の夕飯、ポトフにしましょうよ。香味野菜をたくさん買いましょう」


「あぁ、そうだね。クレソン、セロリ、バジル、どれも生のままだと苦手だったのにね・・・」


「生の香味野菜は苦手なくせに火を通すと好物になるのよね、セロリの葉を煮込んだ時の苦味が好きだなんて、本当に・・・」


美夜がボクの好みを覚えてくれていたように、月子もカノンの好みを忘れていなかった。


だから今夜は、香味野菜たっぷりのポトフにしよう。

セロリは葉まで刻んで入れて、カブだけでなく大根も入れて苦味を出して。

キャベツはざっくりとザク切り、ニンジンは乱切り、ポテトはしっかり面取りして、コンソメで煮込んで。

アスパラはホワイトよりグリーンが好みだったからそちらを選んで。

下味を付けた鳥モモ肉は皮面をしっかり焼いて焦げ目をつけてから野菜スープに入れて。

ホールトマトの後に、クレソンとバジルを手でちぎってどっさり入れて、塩コショウで味を調えて。


ピーラーで剥いたニンジンの皮は千切りにして、刻んだカブの葉とエシャロットとベーコンを一緒にして。

バターで炒めてこれも軽く塩コショウして料理に添えて。


カノンの好きだったポトフにしよう・・・


 ===


食後のダイニング、スクリーンからは超新星発見に沸くニュースが流れていた。

2光年と言う今までに無い近距離の恒星発見であり、今地球に届いている光は2年前の超新星爆発時のモノで、恒星の誕生を紐解く道しるべとなるらしい。

これで人類は宇宙の謎解明に又1歩進むだろうとキャスターはニュースを締めた。


「で、どうだった?、『管理局の白い悪魔』と『黒の閃光』は手ごわかったろう?」


そう尋ねる祖父に、美夜と月子が答えた。

「私は、タカマチ学長の値を何とか上回れました」

「私もフェイトソン学長の値を超えられたわ」


「へぇ、セカンドクラスの石で手加減してもらってるとは言え、あの2人に勝てたのか。と、言う事はキチンと刻印の戒めを開放できたんだね」


美夜と月子とボクまでが真っ赤になって肯いた。


「3月末からのこの半月で、3人共に停滞していた魔宝力が伸び出してるんだね。そして、あの2人に勝てるのなら、もう大丈夫だろう」


そう話す祖父に、美夜が尋ねた。

「おじい様、何が大丈夫なのですか?」


「あぁ、うん。美夜君と月子君、2人にレジェンドクラスを譲っても大丈夫だろうってことさ」


「え?」

月子が質問する。

「おじい様のレジェンドクラスは全部で3セット。その内2セットはカノン君とセイネ君に譲っているので残りは1セットと聞いていますが」


「まぁ、確かに残り1セットなんだけどね」

祖父が話す。

「そもそもレジェンドクラスの魔宝石って、ファーストクラスの魔宝石から育て上げる物なんだよ。先の東南戦争の時は大規模魔宝を使う機会も多くてね、レジェンドクラスの石を沢山育てられた。だから『白の悪魔』や『黒の閃光』もレジェンドクラスを持ってるはずだよ」


祖父が言葉を続ける。

「で、『上級大将昇進』の時と『邸を下賜』された時に育ててた石、レジェンド1歩手前ってファーストクラスの石が2セットある。その2セットと、私のレジェンドクラス1セット、セイネ君のレジェンドクラス1セットを、4人で分配しようと思うんだ。有事の際、全力全開できる石を美夜君も月子君も持つ資格があるだろう」


「おじい様、ボクは今魔宝力をかなり失ってます。ボクのレジェンドクラスは全て美夜と月子に譲った方がよいと思えるのですが」


ボクの提案に、祖父は即座に首を横に振った。

「セイネ君の左手の3つの石が君に共鳴してるよ。少なくともその3つの石は君以外を選ばないから、君の提案はムリだね」


結局レジェンドクラスの石は、祖父とボクに首飾り1石と左手用3石、知者の石の耳飾り1石の計5石、美夜と月子に右手用3石と聖者の石の耳飾り1石の計4石が分配される事となった。

七属性フルセットに不足する分は、祖父の言う1歩手前の石で充足した。レジェンドクラスのフルセットまで育てられるかはボク達の能力次第というワケだ。

『所有の刻印』書き換えは、祖父が美夜の入れたお茶を飲みながらやってくれた。

レジェンドクラスを扱うのにも、祖父は全く気負いがないんだ。すごいと思う。


「美夜君、セイネ君、月子君、戒めの有無を確認するので、今夜はその石を付けて過ごして下さい。あ、それと、くれぐれもヤンチャをしないようにね」


「分かりました、おじい様。2年後に又超新星発見のニュースで世界を沸かせたい思いも有りますが、自重いたします」

「セイネ君まで消えてしまったら悲しいので、セイネ君がヤンチャしないよう見張ってます」


あぁ、2人にはボク等のやらかした事はすっかりバレテいるのネ。


「あ、ボク、お風呂入ってきます」

そそくさと、祖父のいる1階を逃げ出すボクであった。

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