第五章 夏のメイン
気付いたら俺一人で思い出に浸っていた。裕也は酒を飲み過ぎたのか、大の字になって寝てしまった…
風邪、引いたらまずいとタオルケットを裕也にかけ、ゴミを片付けた。
今日はしょうがないか……
飲みかけのビ-ルを飲み、ふと綾音の事を思い出す…
明日…綾音は来るのかなぁ…
俺はベッドに腰掛け、海のアルバムをしまった。そして、違うアルバムを取り出し開いた…
あぁ…こんな事もあったよな……
一枚…また一枚。
写真を見ては思い出し、一人微笑んでいた…
ある日の暑い朝…
ジリリリリ…
朝から一本の電話。その相手は裕也だった…
『もしもし、どした?』
『楓?おはよ!今度の花火大会、行くよな?』
裕也からの花火の誘いだった。実は前々から綾音と約束していた。
それも、二人で……
『……あぁ!』
『よっしゃ!また電話するわ!ガチャ!』
一方的に切られてしまった…
行くとは言ったけど……。まぁ、大勢のがいいかな…
夏休みってのもあり、たまに会うって事は出来ても、皆で集まるって…なかなか出来なかった。
綾音の了解も得て、久々に集合する事にした。
夏休み最後を締めくくる行事。花火大会!ここら辺ではかなり大きなお祭りで、屋台も御輿も沢山出る。町を上げてのイベントだ!
それまでに宿題や研究を終わらせないと…
時には綾音を呼び、教えてもらったりうつしたり…うつしたり…
裕也を呼んだら優希も来て勉強になんなかったり…
まぁ…皆のお陰で花火大会には間に合いそう……だな…