海!到着
電車で約一時間。
俺達は目的地の駅に無事着くことができた。
ジリジリと強い紫外線。
海に着く頃には太陽も上の方へ…。話しながら…迷いながら…どうにか浜辺に!
目の前に広がる広い海。大パノラマだ!
『やっと着いた!行くぞ!』
俺は皆の荷物を放り投げ、自分の荷物だけ持ち走って浜辺に向かった。
『あ、楓!こらぁ!逃げるなぁ!』
綾音も俺に続いて走り出した。
『うわぁ、すっげぇ!優希行くぞ!』
『えぇ?裕ちゃん待ってよぉ!』
裕也は優希の荷物と自分の荷物を担ぎ、俺と綾音の後を急いだ。
優希も必死に裕也の後を追った。
白い砂浜、青い海。心地良い風が吹く中、レジャ-シ-トを敷き準備をしていた。
裕也は手伝いもせず一人水着に着替えていた。
『裕也!手伝えよ!』
『……楓、後頼んだぞ!』
『あ、おい!』
裕也は全てを俺に任せ、逃げるように海に走って行ってしまった。
まぁ…いつもの事…かぁ…
パラソルを立たせる為の穴を掘っていると…
『優ちゃん、行ってもいいよ。』
綾音が優希に…はにゃ?
『ホント?綾ちゃんありがとぉ!』
優希は急いで裕也のいる浜辺へと走って行った。
えぇ?
『優ちゃん…何かソワソワしてるから、裕也君の所行きたいかなぁって…。』
綾音はパラソル持ってるし……もしかして掘るの俺だけ…
『綾音?』
俺は座りながら綾音を見上げた…
『楓、早く!パラソル重いんだからぁ!』
そんなぁ…
真夏の暑い中、結局一人で穴掘り…
パラソルも立たせ準備はOK!
荷物をシ-トに移し、俺も急いで水着に…
『あれ、綾音…行かないの?』
綾音はパラソルの影にちょこんと座り、俺を見ていた。
『ん?後で行くぅ。日焼けしちゃうもん。』
あ…女だもんな。日焼けしたっていいと思うけどなぁ…。
『……そっか。皆と待ってるから!』
と言って、裕也と優希が遊んでる海に走り出した。
今思えば、何で綾音を一人にしたんだろう…。綾音と一緒にいたいという気持ちはあった。でも、海で遊びたい気持ちの方が強かった。この頃は、恋愛より遊びだったんだな…