楽しいお鍋
夕飯は鍋でした。
美味しいかったなぁ
純三一家には、中学生を頭に五人の男の子がいる。
純三は怠け者で働かず、いつも酒ばかり飲んでいる。
ある日、母ちゃんが鍋料理の用意をしたが、金がないので
肝心の肉が買えない。
「父ちゃん、肉とか豆腐を買いたいから金おくれよ」
母ちゃんは、酔ってニヤニヤしている純三に言う。
「へっ、金なんかねえよ。酒買う金だけはあるけど、アハハ」
純三は、赤い顔して笑っている。
「母ちゃん、腹減ったよ」中学生、長男の一郎が言う。
「母ちゃん、俺もペコペコだよ」小学生の二郎は怒った様な顔をしている。
「俺も俺も」三郎、四郎も机を叩く。
「あ〜ん、あ〜ん」保育園児の五郎は、泣いてばかりだ。
しょうがないわね、あの手でいこう。母ちゃんは、低く笑って酒の空壜を握り
純三の背後に立った。
しばらくして、鍋からはモウモウと湯気が上がっている。
鍋には何かしらの肉が入っていて、子供達は嬉しそうに箸を使う。
鍋を囲むのは、五人の子供達と母ちゃんだけ。
鍋の中に純三の耳や鼻、チンチンがそのまま紛れているのを、皆んな知っているが、
誰もその事にはふれない。
「割と美味しいお肉だねぇ」母ちゃんは、ニコニコしながら子供達と笑う。
「ありがとう、父ちゃん」子供達は口々に肉を食べながら話す。
母ちゃんは、純三が残した酒を舐めながら、純三が失踪したストーリー
を考え、何を思ったか急に声をたてて笑った。
読んでもらいありがとうございましたm(__)m




