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第四章:エリートたちの品評会で、俺は『不良品』の烙印を押される-4

【第四幕:まさかの灰色学院グレーゾーン行き!? チートな校則第七条】


 まさにその時。


「恐らく、そうはいかないわね」


 低く、微かな妖艶な笑みを帯びた声が、沈黙の隅からついに響いてきた。


 ずっと黙っていたエルヴィラが、全員の宣告が終わった後になって、ようやくゆっくりと立ち上がったのだ。


 彼女は暗夜に長く潜んでいた黒猫のように、優雅に背伸びをした。

 そのタイトな黒いローブが、想像を掻き立てる完璧な曲線を描き出している。


 彼女は長机の前に歩み寄り、細長い指で卓上をそっと撫でた。

 彼女の視線が、すでに誰もいなくなった空席を舐めるように通り過ぎると、口角には思い通りになったというような笑みが浮かんだ。


「皆さんがこの『廃材』を処理不能だとお考えなら」


 彼女の声は平坦だったが、有無を言わさぬ威厳を帯びていた。


「規定に基づき、この生徒の処置権は、我々灰色学院が引き継がせてもらうわ」


 彼女は一筋の黒髪をそっと掻き上げた。

 その動作は気怠く、そして優雅だった。


「何しろ」


 彼女の声には面白がるような響きがあった。


「私個人としては、この『トップレベルの理性』と『極限の非理性』を兼ね備えた矛盾したサンプルに、非常に興味があるのよ」


 彼女の視線は最終的にアーガスに落ちた。

 その血のように赤い瞳の中にあるのはもはや単なる好奇心ではなく、極限の称賛と病的な独占欲が入り交じった、灼熱の光だった。


「断る」


 岩黄学院の代理人フォグリムが勢いよく立ち上がった。

 その分厚い体躯は、突如としてそびえ立った岩山のようだった。

 彼の声は地底から響く鈍い雷鳴のように低かった。


「規則は死んだものであり、人は生きている。この子にはドワーフの血が流れている。彼の『骨格』は、岩黄学院の院長が見込んだ原石だ!」


 彼が両手をゆっくりと持ち上げると、掌と掌の間で、空気が歪み始めた。


「彼を、人の心を弄ぶことしか知らない、あの灰色の泥沼に引き摺り込ませはしない!」


 彼の低く響く詠唱と共に、虚空からいくつもの鋭利な黒曜石が凝結して現れ、彼の周囲に浮かび上がった。

 その一つ一つが、火山の溶岩のような暗赤色の光を放っている。


 それは岩黄学院が最も誇る「大地の怒り」であり、岩石元素を極限まで圧縮した攻撃術式だった。


 部屋の空気は瞬時に重くなり、まるで目に見えない山が全員の肩にのしかかったかのようだった。


 エルヴィラの笑顔は消えるどころか、さらに妖艶さを増した。

 下半身から甘い香りが漂い、鮮紅の舌が覗いた牙を舐める。


 彼女は、興奮していた。


「あら」


 彼女は軽くため息をつき、その声には一抹の哀惜がこもっていた。


「フォグリム先生は、『規則』以外の方法で問題を解決するおつもりのようね」


 彼女は細長い指で空を軽く切り、唇をわずかに開いて、古く、ほとんど聞き取れないような低い声で囁き始めた。

 その声は夢の奥底から響いてくるようで、一つ一つの音節が不気味な残響を帯びていた。


 黒い霧が彼女の足元から広がり、まるで生き物のように地面をゆっくりとうごめく。

 やがて触手のような細い影の束へと凝縮していった。


 部屋全体の温度が急降下し、全員が魂の底から這い上がるような寒気を感じた。


 リナは素早く部屋の隅へと退避し、すでに手は腰の魔力護符に置かれていた。

 まだ席を立っていなかった他の者たちも次々と後ずさりし、その顔には恐怖がはっきりと浮かんでいた。


 この二人はどちらも、小さな町を一つ簡単に平地にできるほどの強者であり、彼らの対決は、決して常人が耐えられるようなものではなかった。


 アーガスはその場に呆然と立ち尽くし、頭の中は真っ白になっていた。

 彼はただ、二人の院長クラスの強者が、彼のために、この審判室で戦いを始めようとしているのを、なすすべもなく見つめていることしかできなかった。


 黒曜石と影の霧が、空中で徐々に近づいていく。


 まさに次の瞬間。


「そこまで」


 静かで、しかし絶対的な威圧感を持つ声が、主賓席の後方の影から響いた。


 その声は大きくはなかったが、まるで一人一人の脳の奥底に直接響いたようだった。

 全員がビクッと体を震わせた。


 彼らが見たのは。

 学院の最高権力者であり、滅多に人前に姿を現さない、伝説上の存在のような校長、オフィーリアが、いつの間にか音もなくそこに現れていた姿だった。


 彼女は影の中からゆっくりと歩み出た。

 その顔には面白がるような笑みが浮かんでおり、先ほどまで見ていたのが今にも勃発しそうな戦闘ではなく、ただ二人の子供が癇癪を起こしているのを見ていたかのようだった。


 彼女はただ、軽く指を鳴らしただけだった。


「パチン」


 その音は軽快で心地よかったが、それは抗うことのできない何らかの命令コマンドのようだった。


 フォグリムの周囲にあった黒曜石は、瞬時にしてすべての光を失った。

 ただの石ころに戻って、「パタパタ」と地面に落ち、乾いた衝突音を立てた。


 一方、エルヴィラの足元にあった影の霧は、見えない清涼な風に吹き飛ばされたかのように、音もなく空気中へと消え去った。


 二人の院長クラスの強者が苦労して練り上げた術式が、このようにいとも簡単に無化されてしまったのだ。


 フォグリムの顔色は蒼白になり、額にはびっしりと冷や汗が浮かんだ。

 エルヴィラはゆっくりと手を収めた。口元の笑みには一抹の苦渋が混じり、不気味な甘い香りは消え去った。


 彼女は軽く一礼した。


「校長」


 オフィーリアは頷き、その視線は全員を真っ直ぐに通り越し、アーガスへと落ちた。

 その目は優しく、それでいて氷のように冷たく、まるで壊れやすい高価な芸術品を鑑賞しているかのようだった。


「灰色学院に彼を受け入れさせる。その提案を私は承認します」


 彼女の声は平坦だったが、有無を言わさぬ威厳があった。


「こんなに面白いサンプルなのだから、いつでも観察できる場所に置いておくのは当然のこと。フォグリム、あなたの懸念も理解できるが、規則は規則です」


 彼女は傍らにいる、とうに恐怖で顔面蒼白になっている記録官に振り向き、最終結果を宣言するような淡々とした口調で言った。


「記録しなさい。アーガス・アイアンソーンは、正式に灰色学院が受け入れる、と」


 彼女は少し言葉を区切り、ふと何かを思い出したように、口角の弧をさらに深くした。


「そうだ、ついでに校則第七条を各大学院に通達しておきなさい。灰色学院の生徒は、必修科目の成績が『優等』に達していれば、他のどの学院の公開授業でも自由に選択し、履修する権利がある、と」


 彼女の視線がフォグリムへと向かい、その目には少し宥めるような意味合いが含まれていた。


「もちろん、岩黄学院も含まれます。これであなた方にも、彼を教える機会ができたでしょう?」


 彼女の声はさらに明瞭になり、その一つ一つの言葉が空気に刻み込まれるようだった。


「そして該当する学院は、いかなる理由であれ、それを拒否してはならない」


 その言葉が落ちた時、部屋の中は死のような静寂に包まれた。


 フォグリムはゆっくりと席に座り直した。

 地面に落ちた光を失った黒曜石の破片を見つめる彼の目に、複雑な色が走った。

 最終的に、彼はただ重くため息をつき、頷くことしかできなかった。


 すでに席を立っていた代理人たちも次々と振り返り、その顔には驚きがはっきりと浮かんでいた。

 彼らはつい先ほどまでこの「廃材」を嘲笑っていた。

 なのに、その「廃材」が二人の院長をあわや戦闘にまで発展させかけただけでなく、灰色学院へと配属されたことを今になって知ったのだ。


 しかも校則第七条は、この小僧の成績が基準に達しさえすれば、彼が自分たちの学院に入って学習するのを阻むことはできないということを意味している。


 アーガスはただその場に呆然と立ち尽くしていた。


 彼の脳は、先ほど起こったすべてを懸命に処理プロセシングしようとしていた。

 全員から唾棄された状態から、二人の院長が彼のためにあわや戦闘を始める事態へ、そして突如として、学院の最高権力者から直接注目されるに至るまで。


 彼はこれが幸運なのか災難なのか、確信が持てなかった。


 だが少なくとも、扉はまだ完全に閉じられてはいなかった。

【あとがき:アイアンソーン工房より】


最後まで読んでいただき、ありがとうございます。 台湾からこの物語を紡いでいる作者です。


職人が伝説級の逸品アイテムを鍛え上げるためには、 確かな技術だけでなく、炉を赤々と燃やす「火力」が不可欠です。


私にとって、読者の皆様からの応援と☆☆☆☆☆評価こそが、 この物語(アイアンソーン工房)を燃え上がらせる、最高の燃料となります。


もし「続きが読みたい!」「熱かった!」と思っていただけたら、 ぜひ下にある【★★★★★】をタップして、 工房にまきをくべてやってください!


その熱を鉄に込め、次の章も全力で打ち込みます。

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