【第一幕:主流からの逃避。薄暗い隅で睨みつけてくる製図師の少女】(挿絵あり)
学院の大図書館は、知識の荘厳さと無音の歳月が共に築き上げた宏大な神殿である。
一階のメインホールは、巨大なドーム屋根から降り注ぐ、神の啓示のような柔らかな光の輪に常に包まれていた。
空気中には、新しい本のインクの清々しい香りが漂い、若き学生たちが興奮を押し殺す低い囁き声で満ちていた。
書棚の間は人でごった返し、その熱気はまるで無音のオークション会場のようだった。
「上位火炎衝撃」や「フロストノヴァ応用詳解」に関する人気の書籍は、管理人が棚に戻した端から消えていく。
飢えた者が最後の一切れのパンを奪い合うかのように、熱望に満ちた別の手によって瞬時に持ち去られていくのだ。
ここは、主流派と勝利者に属する光の殿堂であり、空気の一寸一寸が成功の金色の光を放っていた。
アーガスはこのすべてを見て見ぬふりをした。
彼は周囲から完全に浮いている頑固な石ころのように、黙ってその喧騒の人波を通り抜けた。
そして、上層へと続く螺旋階段へと真っ直ぐに向かった。
その階段は螺旋状に上へと伸び、まるで古代の巨獣が露出させた肋骨のような構造で、彼を全く異なる世界へと導いていた。
彼はひたすら上へと登った。
階段を一段上るごとに、下の階の光と音は潮が引くように、両側のますます密集する巨大な書棚の影に飲み込まれていった。
空気も徐々に薄く、冷たくなり、時間に忘れ去られたような停滞感を帯びてきた。
彼がついに埃まみれの三階の床に足を踏み入れた時。
周囲はすでに、自分の心拍数が聞こえるほどの絶対的な死の静寂に包まれていた。
空気中には独特の気配が充満していた。
それは乾燥した埃、古い紙の酸っぱい腐敗臭、そして金属が酸化した後の微かな赤錆の匂いが混ざり合った、いわば「死んだ知識」専用の匂いだった。
ここの書棚は、下の階にある温かみのある月光木で作られた芸術品ではない。
冷たく錆びた匂いを放つ黒鉄の造物だった。
それらは忘れ去られた墓碑のように、とうに誰からも必要とされなくなった思想の残骸を、黙って、整然と陳列していた。
アーガスは書棚の列を通り過ぎ、誰にも見向きもされなくなった背表紙を指先でそっとなぞり、細かな埃を舞い上がらせた。
『金属錬金術のパラドックス』、『魔力保存の法則の終焉について』、『古代ゴーレムのコア回路に関する推測』……。
これらのタイトルはどれも、主流の学術界から公開処刑された後に、乱雑に刻まれた異端の墓碑銘のようだった。
ここは知識の墓場であり、敗北者たちの安息の地なのだ。
アーガスは今にもバラバラになりそうな図書館の索引を頼りに、この墓場の最深部へと足を踏み入れた。
完全に影に飲み込まれそうなその隅。
「一角獣学派(論争と正誤表)」と記された書棚が、孤独な墓守のように静かに佇んでいた。
そして、彼は同時に二つのものを目にした。
華奢な人影と、一冊の分厚い古書だ。
その人影は、巨大な書棚の影に飲み込まれそうなほど小柄だった。
彼女は自分と同じく真新しい新入生の制服を着ていた。
だが純白の絹の手袋をはめ、考古学者のような畏敬の念に満ちた姿勢で、自分の上半身よりも幅の広い、ボロボロの古代の手稿を慎重にめくっていた。
彼女は時折身を乗り出して細部を観察し、また時折手袋をはめた指先でページ上の紋様を優しくなぞる。
まるで触れることで、数百年前の魂と対話しようとしているかのようだった。
その一糸乱れぬ集中力は、周囲の死に絶えたような雰囲気と、奇妙で感動的な調和を生み出していた。
そしてアーガス自身の目標は、その少女の傍らの書棚に静かに横たわっていた。
背表紙に色褪せた金箔の文字で『世界は粒子である』と書かれた、分厚い一冊の本だ。
彼は前に出て邪魔することはせず、ただ足音を忍ばせた。
自分に属する「墓碑銘」を書棚から引き抜こうと、静かに手を伸ばした。
アーガスが本を引き抜いた時、それに伴う気流によって、隣にあった同じくまだら模様の古い本が重心を失った。
書棚から滑り落ちる。
「バサッ」という音と共に、静かな石の床に重く落ちた。
その音は、この墓場のような死の静寂の中で、ひときわ耳障りに響いた。
その小柄な人影は、突然の物音に驚き、巣を荒らされた幼獣のような反応を見せた。
勢いよく振り返る!
彼女は音の発生源を見ることもなく、真っ先に、自らの細い体を使って、閲覧台に広げられた貴重な手稿を本能的に庇った。
強い保護欲に満ちた動作だった。
彼女が顔を上げると、影の中から現れた少し怯えた瞳には、警戒と隠しきれない敵意が燃え上がっていた。
まるでアーガスが、今にも聖物を冒涜しようとする野蛮人であるかのように。
アーガスは一瞬呆気にとられた。
自分の何気ない動作が、これほど激しい反応を引き起こすとは予想していなかったのだ。
彼は幸運にも壊れなかったその古い本を拾い上げ、元の場所に戻そうと前に進み出た。
しかし、彼が近づくにつれて、その少女の敵意はさらに色濃くなった。
彼女の視線は最も正確なノギス(キャリパー)のように、まずいかなる家紋も身につけていないアーガスの胸元を走査する。
続いてその少し骨張った輪郭の顔に、少しの間留まった。
彼女の眉が、きつくひそめられた。
「……鉄床の息子?」
彼女の声は非常に小さかったが、冷たい鉄砂のように、一抹の警戒と疎遠さを帯びていた。
「ここには、あなた達が好きな、音の出る鉄の塊なんてないわ。雄獅子派の人間が、こんな所に何をしに来たの?」
この言葉は、見えない鉄鎚のように、アーガスの自己認識の上に激しく叩きつけられた。
鉄床の息子?
どうして彼女は……分かったんだ?
俺の外見は、母さんの人間の血を完全に受け継いでいるんじゃないのか?
どう見ても……親父には似ていないはずだ……。
彼は無意識に手を伸ばし、自分の頬にそっと触れた。
彼は、一般の純血の人間よりも深い眼窩と、顎のラインにある、より力強く角張った輪郭を感じ取った。
肌は白いが、骨組みの輪郭までは隠しきれなかったのだ。
その瞬間、彼はようやく悟った。
親父の口癖だった「エルフのように白くてひ弱だ」という言葉の比較対象は、ずんぐりとして髭の濃い純血のドワーフたちだったのだ。
しかし人間の国において、柔らかな線を美とするこの主流の世界において。
彼の体にあるドワーフとしての特徴は、実は……これほどまでに鮮明だったのか?
この突然の、外部視点からもたらされた自己認識の「ズレ(バグ)」は、足元の床が突然傾いたかのような眩暈を彼に引き起こした。
彼は短い間、呆然と立ち尽くした。
【あとがき】
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